[2023_06_16_04]汚染水放出の「3つの」理由は、大ウソ ◇汚染水タンクは大型化や増設可能…空き地あり ◇「廃炉作業のため敷地を空ける必要」⇒ 急ぐ必要のない作業 ◇汚染水発生ゼロは可能になった 黒田節子(原発いらね!ふくしま女と仲間たち)(たんぽぽ2023年6月16日)
 
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汚染水放出の「3つの」理由は、大ウソ ◇汚染水タンクは大型化や増設可能…空き地あり ◇「廃炉作業のため敷地を空ける必要」⇒ 急ぐ必要のない作業 ◇汚染水発生ゼロは可能になった 黒田節子(原発いらね!ふくしま女と仲間たち)

 
◎汚染水放出の「3つの」理由は、大ウソ

 先日6月12日、福島市で汚染水放出問題での東京電力の説明会がありました。大阪大学名誉教授・長沢啓行さんのそこでの発言と資料のごく一部を、了解を得て以下に紹介します。
 その根拠はすべて国や東電が公表しているものから、ということです。
 国や東電があげている海洋放出の「理由」の3点(1.2.3.)について、長沢さんはそれが「大うそ」だったことを明らかにされました。
 私たち市民にとって、特に3.については新たな視点・情報ですのでぜひご注目ください。

1.タンクがいっぱいになる。⇒ 大型化やタンク増設可能エリア・空き地ありで、大丈夫。国道6号から東側の広大な地域は中間貯蔵施設。ここでの処理はすでに終盤で、プラントは続々と解体され空き地となっている。

2.廃炉作業のための敷地を空ける必要がある。⇒ いずれも、急ぐ必要のない作業だ。乾式貯蔵施設はまったく緊急性がない。デブリは取り出せる見通しなし!

3.汚染水は今後も発生し続ける。⇒ 敷地の徹底舗装で雨が地下にしみ込まなくなった、建屋の雨漏り修理、地下水くみ上げ…等で建屋への雨水・地下水流入量が年々減っている。汚染水発生ゼロは可能になった。
 現在進めている水位低下作業を続ければ、1〜3号原子炉建屋の床面露出は2年以内に可能となる。

 そもそも、まだ注水が必要なのか?
 最も温度が高い2号機圧力容器で、データは28度C。発熱はしているが、再び溶けるような熱では全然ない。たまに工事の関係で水を止めることもあるが、少し温度が上がる程度だ。

◎水を使って試運転開始!

 水を使っての海洋放出試験運転が、福島市での説明会と同日(6/12)に始まってしまいました。この放出試験は2週間ほど続く予定とか。
 原発汚染水の海洋放出は、取り除くことができないトリチウムの濃度を、国の基準の40分の1まで薄めた上で、沖合1キロの地点から海底トンネルを通って海へ放出するというものです。
 今回の放出試験で、東京電力が特に重要視しているのが「海水で薄める」という部分。
 まずは「タンクから海底トンネルまで処理水を流すポンプや水路に不具合はないか」「トリチウムの濃度を薄めるための海水をくみ上げる装置が作動するか」「設備そのものに問題がないか」を確認するとしています。

◎ しかし、当然ながら、海洋放出には海外からも厳しい批判の声があります。

 香港政府が6月10日までに示したのが「厳格な禁輸措置」。香港は現在、福島県産の野菜や果物、牛乳などの輸入を停止していて、水産物と食肉などについては放射性物質の検査証明書の添付を義務付けています。
 汚染水の海洋放出が実施された場合「食品の安全リスクを引き起こす」として、福島県沿岸一帯の水産物の輸入を禁じると表明しました。
 駐韓中国大使は「日本が太平洋を自宅の下水道にしている。極めて無責任な行為だ」と日本政府を批判。
 韓国では、原発の周辺地域の住民の甲状腺がん発症率は他の地域の数倍にもなり、韓国水力原子力を相手取って集団訴訟が行われているのです。
 また、米国政府は核実験などの原罪と自国の原発問題があるため無視していますが、太平洋の18の島国、中国、ロシア、ドイツなどは放出に強く反対しています。

 海洋放出に関わる設備は6月末に工事が終わる見通しですが、それで終わりではありません。
 私たちはあきらめるわけにはいきません。この6月20日(火)にも、福島県庁前で汚染水放出反対の大行動がなされます。
 全国からどうぞご参集ください。(詳細は、「これ以上海を汚すな!市民会議」HPなど)
KEY_WORD:汚染水_:中間_貯蔵施設_福井県外_:廃炉_: