[2023_06_09_04]北陸電力の電気料金大幅値上げ 200億円の黒字予想なのに その根本にある原発問題 北陸電力のまっとうな経営判断による廃炉決定を認めず、何が何でも原発を存続させようという経産省 藤岡彰弘(「命のネットワーク」)(たんぽぽ2023年6月9日)
 
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北陸電力の電気料金大幅値上げ 200億円の黒字予想なのに その根本にある原発問題 北陸電力のまっとうな経営判断による廃炉決定を認めず、何が何でも原発を存続させようという経産省 藤岡彰弘(「命のネットワーク」)

 
◎ 5月17日、経産省は電力各社に対し6月からの規制料金の値上げを認可した。
 電力大手の中では北陸電力の39%もの上げ幅が異様に目立っている。
 北陸電力はこの料金値上げの理由を、ウクライナ戦争等によるエネルギー市場の混乱によって、主力である石炭火力4基で使うオーストラリア産炭の価格が大きく値上がりしたためと説明してきた。
 確かに北陸電力はその全供給量の6割弱を石炭火力で賄っている。
 だが2022年ではなく、2021年を境に、それまでほぼ安定していた北陸電力の経営は大きく揺れ始めるのだ。

◎ 2021年4月の決算報告で北陸電力は4年ぶりの減益を発表。
 その原因を「記録的寒波」によるとしたが、その通りにはとても受け取れない。
 6月の関西電力株主総会で、関西電力が3月末で北陸電力からの受電契約を打ち切ったことが明らかとなったからだ。
 その契約とは、関西電力が北陸電力から志賀原発で発電した電気(実際には0kwでも)を年150億円(推定)で買い取るというもの。同時に同様の受電契約が中部電力との間にも結ばれていたことが明らかになる。

 契約打ち切りによって両社からの毎年300億円にも及ぶ入金が途絶え、電気の売り先も失ったのだ。
 長期停止中の志賀原発は、まさにどうにもならない「厄介もの」となってしまった。
 6月に交代した松田新社長は、記者からの問いかけに対し「(再稼働後)使い切れない電力をどうするかは今後検討していく必要がある」と答えた。何という無責任!

◎ その一方で、停滞し続けてきた建屋直下の(活)断層をめぐる問題が、北陸電力の主張通りになっていくのもこの春からだ。
 北陸電力の料金値上げが翌年から始まる。
 まず経産省の認可を受けなくてもよい「自由料金」から手がつけられ、それが枠いっぱいに達したところで今年6月からの「規制料金」大幅値上げとなったのだ。

◎ ところがなんと北陸電力は、この6月2日に2024年3月期の業績予想を200億円の黒字と発表した。ならばこの大幅値上げは一体何なのか。石炭価格もこの1月から下落し始めている。こんなふざけた話があるものか。
 経産省はなぜこんなバカげた料金値上げを認めたのか?
 それは、北陸電力のまっとうな経営判断による廃炉決定を認めず、何が何でも原発を存続させようとしているからだ、としか考えられない。
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