[2023_05_26_03]原発事故の処理水海洋放出 不安と不満の声相次ぐ 福島県漁連と国、東電が意見交換 いわき市(福島民報2023年5月26日)
 
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原発事故の処理水海洋放出 不安と不満の声相次ぐ 福島県漁連と国、東電が意見交換 いわき市

 2023/05/26 11:32
 東京電力福島第1原発の放射性物質トリチウムを含む処理水の海洋放出を巡り、福島県漁連は25日、いわき市の中央台公民館で国、東電との意見交換会を開いた。漁業関係者からは海洋放出に対する不安、国の対策への不満の声が相次いだ。県漁連の野崎哲会長は海洋放出について「反対という立ち位置は変わらない」と強調した。政府は「春から夏ごろ」の放出開始を目指すが、理解醸成は進んでいない。
 いわき市漁協、小名浜機船底曳網漁協から約70人が臨み、冒頭を除き非公開だった。野崎会長らによると、漁業関係者からは「風評の影響が出た場合、どう対応するのか」「漁業者との約束が守られるのか」などの質問があった。一方、国や東電の担当者は「関係機関と協力して全力を尽くす」「責任を持って対応する」などと説明したが、具体的な対策などへの言及はなかったという。
 いわき市漁協四倉支所の佐藤芳紀さん(64)は終了後、「有無を言わさずに海洋放出しようとしていることに大きな不安を覚える」と語気を強めた。
 野崎会長は「まだ分からない点や、もっと意見を言いたい点があると思う。今後も漁業関係者の思いをしっかりと受け止めたい」と述べ、今後も同様の意見交換会を企画する考えを示した。
 18日に開かれた相馬双葉漁協向けの意見交換会では、新たな風評被害への懸念の声が上がった。
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