[2023_05_23_01]福島原発の「処理水」海洋放出、韓国の専門家が視察…浄化処理設備など確認へ(読売新聞2023年5月23日)
 
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福島原発の「処理水」海洋放出、韓国の専門家が視察…浄化処理設備など確認へ

 【ソウル=中川孝之】東京電力福島第一原子力発電所の「処理水」の海洋放出を巡り、韓国の専門家らの視察団は23日、原発の視察を始めた。24日まで2日間にわたり、浄化処理設備などを点検する。
 韓国では海洋放出の安全性への懸念が強く、国民に理解を深めてもらう狙いがある。視察の実施は7日にソウルで行った日韓首脳会談で合意した。視察団の事前発表などによると、原発では汚染水を浄化処理する多核種除去設備(ALPS=アルプス)のほか、処理水に含まれるトリチウム(三重水素)などを測定・確認するタンク、処理水を海沿いまで移送する設備などを重点的に確認する。
 これに先立ち、視察団は22日、日本の外務省や経済産業省、東電の関係者と開いた会議で、視察内容を打ち合わせた。25日には日本側と今回の視察を総括する会議を開くという。
 東電は、ALPSで浄化した処理水に大量の海水を加え、トリチウム濃度を世界保健機関(WHO)の飲料水基準の7分の1未満に希釈して原発沖合に放出する計画だ。政府と東電は夏頃までの放出開始を目指している。韓国の専門家も加わった国際原子力機関(IAEA)の調査団は昨年、放出計画は妥当とする中間報告をまとめていた。
 松野官房長官は23日午前の記者会見で、今回の視察について「韓国国内で処理水海洋放出の安全性について理解が深まるよう努めていく」と述べた。
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