[2023_04_14_07]原燃社長「社員が率直に意見を言える環境をつくれていない」 六ケ所村の再処理工場、申請書に大量ミス(東京新聞2023年4月14日)
 
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原燃社長「社員が率直に意見を言える環境をつくれていない」 六ケ所村の再処理工場、申請書に大量ミス

 原子力規制委員会は14日、臨時会合を開き、日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)の稼働に必要な審査で提出された申請書に大量の誤りが見つかったことを受け、増田尚宏社長を聴取した。現場が提出期限に追われ、不十分な作業になったことを経営層に伝えなかったとして、増田社長は「社員が率直に意見を言える環境をつくれていない」と管理不備を認めた。
 原燃は昨年12月末、設備の詳細な設計や工事計画に関する約6万ページの申請書を規制委に提出。そのうち約3100ページに落丁などのミスがあった。
 この日の会合で、再処理工場の審査を担当する田中知委員は「完成目標に引っ張られすぎている」と批判。伴信彦委員は「難しい目標を掲げて社員を鼓舞するやり方は、限界がある」と疑問を述べた。
 増田社長は、2024年9月までとする完成目標について「目標を安易に変更することは混乱につながる。社員と議論しながら必要であれば見直す」と述べ、現時点では変更しない考えを強調した。
 また、今年1月には再処理工場で国際原子力機関(IAEA)の監視対象になっている部屋の照明が消え、監視カメラで撮影できない状態になった事故が発生。規制委は会合で、原燃の原因調査と再発防止の報告書が不十分として増田社長に再提出を求めた。山中伸介委員長は「国際的な信用に関わる。提出期限は定めないので、しっかりとした報告をしてほしい」と注文した。(小野沢健太)
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