[2023_04_14_02]ドイツ脱原発完了 福島第1原発事故後G7で初 最終処分場選定進まず(日刊スポーツ2023年4月14日)
 
参照元
ドイツ脱原発完了 福島第1原発事故後G7で初 最終処分場選定進まず

 ドイツで15日、東京電力福島第1原発事故を受けて決めた脱原発が完了する。稼働中の最後の原子炉3基が同日夜(日本時間16日朝)、送電網から外れて運転を停止し、国内の原子力発電量はゼロになる。同事故後に脱原発が実現するのは先進7カ国(G7)で初めて。原発推進の日本と一線を画し、今後は再生可能エネルギーをさらに拡大する。
 ただ、高レベル放射性廃棄物の最終処分場の選定は進まず、数十年かかる廃炉作業とともに重い課題として残る。当初は2022年末の脱原発を予定していたが、ロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギーの供給不安や価格高騰に直面し、先送りしていた。
 欧州で安定供給を理由に原発回帰の潮流が強まる中、ドイツの野党や経済界には運転延長を強く求める声が根強く、複数の世論調査でも脱原発に反対する回答が過半数を占めた。政府は再生エネの拡大を加速させる方針で、今後のエネルギー情勢が注視される。
 環境保護派のハーベック経済・気候保護相は13日の声明で「エネルギー供給の安全性は今後も確保される」と強調。22年のドイツの総発電量に占める風力や太陽光などの再生エネの割合は46・3%で、石炭は33・3%、原子力は6・4%だった。政府は30年までに電力消費量に占める再生エネの割合を8割にする計画だ。
 政府によると、これまでに原子炉33基が稼働し、完全に解体を終えたのは3基。廃棄物を地下深くに半永久的に保管する最終処分場は31年までに建設予定地を決める計画だが、選定作業と最終処分を委託された国営企業は昨年、選定は46〜68年になるとの見通しを示した。
 ドイツでは02年に環境保護政党「緑の党」を含む左派連立政権が22年ごろまでに全原発の運転を停止する法律を成立させ、脱原発の道を開いた。10年にメルケル前首相が先送りを決めたが、メルケル氏は11年の福島での事故を受け、22年末までの脱原発完了を決めた。(共同)
KEY_WORD:ドイツ_脱原発完了_:再生エネルギー_:FUKU1_:ウクライナ_原発_:岸田首相_次世代-原発_検討指示_:廃炉_: