[2023_03_31_08]立民「安全神話復活」と批判 原発60年超法案で対決姿勢(時事通信2023年3月31日)
 
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立民「安全神話復活」と批判 原発60年超法案で対決姿勢

 既存原発の「60年超」運転を事実上可能にする「GX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素電源法案」が30日の衆院本会議で審議入りした。今国会の対決法案の一つで、立憲民主党は「原発の安全神話が復活した」と批判した。4月の統一地方選や衆参5補欠選挙をにらみ対立軸を明確にする狙いがあるが、党内や支持団体の連合には執行部の対応に不満もあり、一枚岩ではない。
 「安全神話への変質、回帰が始まっている。安全規制を緩める方向への改悪だ」。立民の田嶋要氏は、岸田文雄首相も出席した本会議で政府肝煎りの同法案を批判した。首相は「改悪するとの指摘は当たらない」と反論した。
 法案は「原則40年、最長60年」と定めた現行の運転期間ルールを緩める内容。現行ルールは東京電力福島第1原発事故を経験した旧民主党政権時の2012年に決まった。
 旧民主の流れをくむ立民は、綱領に「原発ゼロ社会」を掲げ、原発の安全性に疑念を持つ議員が少なくない。党幹部は法案に「反対しかない」と明言した。いち早く旗幟(きし)を鮮明にするのは、統一選や補選に向けて「コアな支持層を固める」(若手)思惑がある。
 一方、この日の本会議では、脱炭素社会実現に向けた政策支援の裏付けとなるGX推進法案が採決され、立民は共産党などとともに反対した。日本維新の会や国民民主党は賛成し、野党の対応が割れた。
 推進法案は、連合の芳野友子会長が加わった政府の会議で決めた方針を反映したもので、連合は賛成するよう水面下で求めた。立民内にも「法案に原発の文言はない」(中堅)として賛成論があったが、執行部が反対で押し切った。
 立民内の一部や連合は党執行部に不満を隠さない。中堅議員は「連合のためにも反対すべきではなかった」と執行部を批判した。連合関係者は「(統一選で)立民を応援する気がなくなる」と漏らした。
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