[2023_02_24_01]ウクライナで原発周辺に砲撃 戦時下での原子力施設保護を提言(NHK2023年2月24日)
 
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ウクライナで原発周辺に砲撃 戦時下での原子力施設保護を提言

 ウクライナでは原子力発電所周辺に砲撃が相次ぎ、重大な事故になりかねない事態が続いていることを受けて、国内の原子力などの専門家で作る研究グループは、戦時下で原子力施設を保護する新たな仕組み作りを提言しました。
 ウクライナでは南部にあるヨーロッパ最大規模のザポリージャ原発がロシア軍に占拠され、砲撃によって原子炉の冷却に必要な外部からの電力供給がたびたび途絶えるなど、原子力施設で重大な事故が起きることが懸念されています。
 このためIAEA=国際原子力機関は、原発周辺を安全な区域に設定しようと、ロシア、ウクライナ双方と協議を重ねていますが、実現には至っていません。
 国内の原子力や国際法などの専門家で作る研究グループは、侵攻開始から1年となる24日、戦時下で原子力施設を保護する新たな仕組み作りに向けた提言を発表しました。

 提言には、
 ▽IAEAが戦争当事国や周辺国と協議して、原子力施設を保護する仕組みを構築することや、
 ▽国際条約の改正などにより、原発に加え、使用済み核燃料の貯蔵施設などすべての原子力施設への攻撃を全面的に禁止することが盛り込まれ、日本が議論を主導するよう訴えています。

 研究グループの座長を務める長崎大学核兵器廃絶研究センターの鈴木達治郎副センター長は「福島第一原発の事故を経験している日本としては、原子力施設の保護の重要性を世界に発信する責任がある」と話していました。
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