[2022_11_15_05]“異常震域”はなぜ? 三重沖地震は「南海トラフ地震に直接的な影響ない」別のプレートで発生 防災専門家(テレビ静岡2022年11月15日)
 
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“異常震域”はなぜ? 三重沖地震は「南海トラフ地震に直接的な影響ない」別のプレートで発生 防災専門家

 14日福島県や茨城県で震度4を、静岡県内で震度2を観測する地震がありました。震源から離れた場所で揺れが強くなる「異常震域」という現象は、なぜ起きたのか専門家に聞きました。
 14日午後5時9分頃、福島県と茨城県で最大震度4を観測するやや強い地震がありました。震源は三重県の南東沖、深さ約350kmでマグニチュードは6.1でした。
 県内で観測されたのは、震度2が伊東市と松崎町。東部・伊豆から西部までの広い範囲で震度1でした。
 この地震で震源に近い愛知県・三重県で揺れは観測されず、遠く離れた福島県や茨城県で一番大きな揺れを観測しました。
 気象庁が「異常震域」と発表したこの現象について、専門家に聞きました。
 静岡大学防災総合センター岩田孝仁・特任教授:
 ずっと深いところで起きていますが、実際には海洋プレートの太平洋プレートの中が引っ張られて破壊をして起きた地震。この真上には実は柔らかい層があって、地震波が伝わらないのです。プレートの固いところを伝わって揺れが伝わっていく、その出口が離れた場所になる
 「異常震域」は2015年にも起きています。
 小笠原諸島で発生した地震により、800km以上離れた神奈川県西部で震度5強、県内で震度4を観測しました。
 心配される南海トラフ地震との関連について、直接的な影響はないということです。
 静岡大学防災総合センター・岩田孝仁 特任教授:
 今回 深発地震が起きたのは、太平洋プレートが潜り込んだ深さ350km位で起きた地震です。南海トラフの地震は、フィリピン海プレートが日本列島・ユーラシアプレートに潜り込んで、この境界で起こる地震です。太平洋プレートの深部で起きた地震と、フィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界で起きる地震は全く別物です。今回は太平洋プレートでのマグニチュード6クラスの地震ですから、上にあるフィリピン海プレートにはほとんど影響を及ぼさないタイプの地震です。
 岩田教授によりますとこの「異常震域」について、体で感じる地震は日本で年に数回起きていて、規模が大きな地震であれば震度は大きく、揺れの時間は長くなるということです。
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