[2022_10_24_03]地下に流体、地震一因か 能登半島で京都大など調査(日経新聞2022年10月24日)
 
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地下に流体、地震一因か 能登半島で京都大など調査

 京都大などの研究チームは24日、能登半島の地下構造を調査した結果、深部に電気を通しやすい領域が見つかったと発表した。水などの流体が存在するとみられ、2020年12月ごろから活発化した地震活動の一因となった可能性があると説明している。
 チームは石川県珠洲市など能登半島の地表面32カ所に、地中の電気の通りやすさを観測する装置を設置。昨年11月〜今年4月、地下約20キロまでの構造を推定した。
 その結果、珠洲市街地の地下十数キロ地点などで、電気が通りやすい領域が見つかった。チームは、この領域に流体があるとみている。断層間に流体があると岩盤が滑りやすくなり、地震発生のきっかけになることもあるという。
 チームによると、能登半島では20年12月ごろから地震活動が活発化し、震度1以上の地震が200回以上発生している。今年6月19日には珠洲市で震度6弱の地震を観測した。
 チームは能登半島沖の海底でも同様の観測を行ったほか、地上でも別の地点で観測する予定で、得たデータを地下構造の解明に活用する。チームの吉村令慧京都大教授(地球電磁気学)は「流体の分布をより詳しく把握し、地震活動の予測につなげたい」としている。
 〔共同〕
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