[2022_10_20_02]原燃廃液トラブル 再発防止策「妥当」の評価(東奥日報2022年10月20日)
 
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原燃廃液トラブル 再発防止策「妥当」の評価

 原子力規制庁は19日、日本原燃・六ケ所再処理工場(青森県六ケ所村)にある高レベル放射性廃液タンクの冷却機能が一時喪失したトラブルについて、原燃の再発防止策を妥当とする評価結果を原子力規制委員会に報告した。法令違反には当たらず、影響は限定的だとして、安全重要度、深刻度はそれぞれ最も低いレベルに該当するとした。委員の異論はなかったものの、原燃の事故対策などを再点検するよう指示が出された。
 規制庁は、面談や公開会合を通じて原燃が示した原因と対策を確認。原燃が自らの基準や規制要求を満たせず、結果として安全確保の機能に影響を及ぼしたことから「検査指摘事項」に当たると判断した。原子力事故などの深刻度を8段階(レベル7〜0)で表す国際評価尺度(INES)は作業員被ばくなどがなかったため「0」とした。
 同日の委員会で、規制庁の担当者は「個々の作業員の教育や力量管理に懸念が残る」と述べ、原燃の対応状況を日常の検査で確認すると説明した。山中伸介委員長は会見で「このような事象の発生は極めて問題。管理上しっかりしていただきたい」と語り、原燃に人為ミスの防止や協力会社とのコミュニケーション改善を求めた。
 原燃は「引き続き対策をしっかり講じて再発防止に努めていく」とコメントした。
 トラブルは7月に発生。放射性物質を含む廃液の保管タンクで、2系統ある冷却設備の機能が約8時間にわたり失われた。
 原燃は、現場で工事に従事していた作業員による弁の誤操作などが原因と推定している。
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