[2022_10_14_01]グレタさん原発「擁護」発言、ドイツ推進派が歓迎? SNSで話題(毎日新聞2022年10月14日)
 
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グレタさん原発「擁護」発言、ドイツ推進派が歓迎? SNSで話題

 原発の稼働延長を巡り論争が起きているドイツで、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさんによる「原発擁護」発言を原発推進派が捉えて勢いづいている。グレタさんの気候変動対策を求める運動に対して批判的だった姿勢から一転、歓迎メッセージを送って話題となっている。

 グレタさんは12日夕に放映された独公共放送ARDのインタビューで、気候保護のために原発は現時点でよい選択かと問われ、「それは場合による。すでに(原発が)稼働しているのであれば、それを停止して石炭に変えるのは間違いだと思う」と答えた。
 事前収録インタビューの一部が放映前に公開されたことから、ツイッターなどで話題となった。
 連立政権の一角を担い、原発の稼働延長を求めている自由民主党首のリントナー財務相は11日、ツイッターで「グレタ・トゥーンベリが原発を送電網に接続し続けるという自民党の立場を支持したことを歓迎する」と投稿。同党所属のブッシュマン法相も「グレタ・トゥーンベリですら、ドイツの原発の稼働継続に賛成している」とツイートした。リントナー氏は以前、子どもや若者は気候変動問題を専門家に任せて学校で学ぶべきだという趣旨の発言をしていた。
 こうした動きに対し、グレタさんは12日、ツイッターで「自分たちの方向性に合うときだけ不愉快な真実に耳を傾ける人たちに注意することが重要だ」とけん制した。
 ロシアによるウクライナ侵攻を受け、ドイツ政府は稼働を停止した石炭火力発電所を期限付きで再稼働できるようにした。また年内に運転を終える予定だった3基の原発のうち2基も、2023年4月中旬まで稼働できる状態にする。ただ、ハベック経済・気候保護相(緑の党)が同4月に脱原発を完了させる方針であるのに対し、自民党は対象を3基に拡大し、期間も24年まで延ばすよう求めており、連立与党内で論争となっている。【ベルリン念佛明奈】
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