[2022_09_29_03]敦賀2号機、審査再開可否判断へ 無断書き換え、原電が改善報告(毎日新聞2022年9月29日)
 
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敦賀2号機、審査再開可否判断へ 無断書き換え、原電が改善報告

 日本原子力発電が敦賀原発2号機(福井県敦賀市)の再稼働に向けた安全審査の資料を無断で書き換えていた問題で、原電は29日、原子力規制委員会の会合で資料の作成過程の改善点などを報告した。規制委は「おおむねルール化されている」と肯定的に評価。早ければ10月の定例会で、中断している審査会合の再開可否の判断に向けて議論する見通し。
 原電は資料作成過程を見直し、資料の元となるデータの明確化や、資料作成に関わらない社員が資料を検証することなどを社内規定に盛り込んだと説明した。
 書き換えがあったのは、原子炉直下を含む敷地内の断層に関する資料で、2020年2月の審査会合で発覚した。元のデータは地層を肉眼観察した結果だったが、その後顕微鏡による観察の結果を上書きするなどしていた。規制委の有識者調査団は2号機の直下に活断層があるとの見解を示しており、原電は反論する形で「活断層ではない」として資料を提出していた。規制委は21年8月、「資料の信頼性が確保されていない」として審査会合を中断した。
 再開の条件として原電に対して、データを書き換え前の元の状態にさかのぼれるようにすること、肉眼と顕微鏡など複数の手法で異なる結果が出て、その評価を出す場合は判断の根拠を明確にすることなどを求めていた。また、資料作成業務の過程を確認するため、20年12月から原電への立ち入り検査を計10回実施した。【土谷純一】
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