[2022_09_21_11]“緩んだら安全神話復活”原子力規制委 更田委員長 最後の会見 (NHK2022年9月21日)
 
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“緩んだら安全神話復活”原子力規制委 更田委員長 最後の会見

 9月に退任する原子力規制委員会の更田豊志委員長は21日、任期中最後の記者会見に臨み「『安全神話』の復活を許さない姿勢は貫けたが、緩んだらまた復活する」と述べ、今後も気を引き締めて規制に取り組むよう求めました。
 更田委員長は、10年前の原子力規制委員会発足と同時に委員に就任し、5年前からは委員長として、新たな規制基準に基づく原発の審査などを主導してきました。
 9月に退任するのを前に、21日、任期中最後の記者会見に臨み、この10年間を振り返って「発足当初から意識してきた『規制のとりこ』や『安全神話』の復活を許さない姿勢は貫けたが、将来も変わらない基礎を作ったとは思わず、緩んだらまた復活する」と述べ、今後も気を引き締めて規制に取り組むよう求めました。
 また、政府が既存の原発の最大限の活用や、次世代の原子炉の開発や建設を検討していることについては、「規制の要求レベルを引き下げろという議論はないし、万が一、引き下げることになれば、利用は前に進まないどころか、頓挫すると思う。厳正な規制に務め、自分たちがするべき仕事をすることに尽きる」と述べ、政策によって規制を変えるべきでないと訴えました。
 一方で、電力会社に対しては、審査を早めるよう求めていながら、基準そのものへの異論が出てこないと指摘したうえで、「異論を唱えることで、さまざまな関係者の理解を得るうえで困難があると考えたためではないか。率直な議論が、まだまだできないことに、これからの課題がある」と指摘しました。
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