[2022_09_06_11]弁の施錠 対象拡大 原燃 冷却機能喪失で新対策(東奥日報2022年9月6日)
 
 日本原燃は5日、六ヶ所再処理工場(六ヶ所村)で発生した高レベル放射性廃液タンクの冷却機能喪失トラブルを巡り、弁の施錠や識別表示などの対策を工場内のほかの系統にも拡大すると明らかにした。対象箇所は集計中だが、相当数に上るとみられる。7月に公表した原因と対策に内容を追加し、原子力規制委員会、県、村に報告した。
 トラブルは7月2日に発覚。冷却設備の弁が閉じられ、8時間にわたって廃液を冷却できない状態になった。原燃は弁の誤操作が原因と推定しつつ、弁を誤認しやすい環境だったことなどが複合要因となったと発表した。
 誤操作を防ぐため、操作しない弁は施錠管理するほか、弁を見分ける識別表示を明確にする対策を工場内の安全冷却水系約2900カ所で進めるとしてきたが、今回はさらに使用済み核燃料のプール水冷却系、換気設備などに対象を拡大する。対策は年内をめどに終える計画という。
 新たな対策として、弁の操作には原燃の監理員が立ち合いダブルチェックで確認を徹底、工事の作業内容や注意点を工事部門と当直が共有した上で設備の運転状態を監視するなど、作業管理への関与を強化する。
 原燃はほかに、廃液温度の評価結果も明らかにした。廃液を冷却できなくなった場合、崩壊熱により約43時間で沸騰するとしていたが、タンクを囲うコンクリート内の空気などに熱が逃げるため、約56度まで上昇した後は温度が安定し、沸騰には至らないと結論付けた。  (加藤景子)
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