[2022_08_29_01]IAEA ウクライナ原発へ専門家チーム早期派遣の調整急ぐ (NHK2022年8月29日)
 
参照元
IAEA ウクライナ原発へ専門家チーム早期派遣の調整急ぐ

 ロシア軍が掌握するウクライナの原子力発電所では28日も砲撃があったと伝えられ、IAEA=国際原子力機関は事故につながるおそれがあるとして原発の安全確保を支援する専門家チームを早期に派遣するための調整を急いでいます。
 ウクライナ南東部にあるヨーロッパ最大級のザポリージャ原発では今月25日に砲撃によって冷却装置などに使う外部電源が一時的に失われるなど重大な事故につながりかねないリスクに直面しています。
 ウクライナとロシアはそれぞれ砲撃は相手の攻撃によるものだと非難していて、ロシア国防省は28日「過去24時間に、ウクライナ側から原発の敷地内に2回、砲撃があった」と主張しました。
 IAEA=国際原子力機関のグロッシ事務局長は28日の声明で放射線レベルの上昇は見られず一時ウクライナ側が懸念を示していた水素漏れの兆候もないとしています。
 IAEAは原発の安全確保を支援するため専門家チームを現地に派遣する方針ですが、グロッシ事務局長は28日の時点でも「数日内の派遣をめざして関係者と調整を続けている」としています。
 専門家チームは砲撃による原発施設への被害の状況や安全装置が機能しているかどうか、それにロシア軍の管理下に置かれている原発の技術者らの労働環境などについて調査することにしていて砲撃が停止されIAEAの早期派遣が実現するかが焦点になっています。IAEA声明 “放射線レベル 上昇は見られない”IAEA=国際原子力機関は28日の声明でウクライナ側からザポリージャ原子力発電所に新たな砲撃があったものの放射線レベルの上昇は見られないとの報告を受けたことを明らかにしました。
 またウクライナ側が懸念を示していた水素漏れの兆候もないとしています。
 一方、声明では25日から27日にかけて原子炉建屋からおよそ100メートル離れた場所にある建物付近に砲撃があったと明らかにしたうえでウクライナ側は被害の全容を把握できていないとしています。
 またIAEAの専門家チームの派遣について、原発への被害を調査するとともに安全性に関するシステムが機能しているか確認し現場で働く技術者らの労働状況の評価も行う方針だとしています。

KEY_WORD:ウクライナ_原発_: