[2022_08_16_03]SK、ビル・ゲイツ設立の小型モジュール原子炉企業に320億円投資(韓国経済新聞2022年8月16日)
 
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SK、ビル・ゲイツ設立の小型モジュール原子炉企業に320億円投資

 SKグループが、マイクロソフト(MS)創業者であるビル・ゲイツが設立した米国の小型モジュール原子炉(SMR)企業テラパワーに3200億ウォン(約320億円)を投資する。 炭素を排出しない次世代原子炉であるSMRを前面に押し出し、国内と東南アジアを中心に炭素中立に拍車をかけるという崔泰源(チェ・テウォン)SKグループ会長の構想だ。崔会長は、ビル&メリンダゲイツ財団共同理事長資格で15~17日に訪韓するビル・ゲイツと単独で会う可能性が高いという観測も出ている。
 マイクロソフト(MS)創業者であるビル・ゲイツが16日、韓国国会で演説しているSKグループが15日、明らかにしたところによると、SK(株)とSKイノベーションは最近、米国外国人投資審議委員会の承認を受け、テラパワーに対する2億5000万ドル(約3265億ウォン)規模の株式投資を完了した。テラパワーの7億5000万ドル(約9800億ウォン)規模の投資誘致にゲイツ理事長とともに共同投資家として参加した。
 SKグループが、テラパワーに投資したのは初めてだ。これに先立ち、両社は5月、テラパワーと包括的事業協力のための了解覚書を締結した後、株式投資について協議してきた。会社側は、具体的な持分比率は公開しなかったが、当初の計画より多くの金額を投資したという。
 SKグループの崔泰源(チェ・テウォン)会長テラパワーは、ゲイツ理事長が2008年に設立した会社だ。次世代原子炉であるSMRのソジウム冷却高速炉(SFR)設計技術を保有している。SFR技術は、高速中性子を利用した核分裂を通じて発生した熱を液体ナトリウム冷却材に伝達し、この過程で蒸気を発生させて電気を生産する方式だ。現在稼動中の第3世代原発に比べ、安全性と経済性の面で一歩進んだ第4世代原発技術に挙げられる。核廃棄物を画期的に節減できるだけでなく、高い安全性確保を通じて次世代SMR技術の先頭走者と評価されている。テラパワーは、米政府の資金支援を受け、SFR技術実証事業を進めている。 商用化の目標時点は2028年だ。
 SKのテラパワー投資は、双方の利害関係が正確に合致したことから始まったという分析が出ている。まず、テラパワーの今回の投資誘致は、これまで次世代原発業界の単一企業基準で最大規模だ。テラパワーは、今回の投資誘致をきっかけにSMR革新技術の開発や事業化に拍車をかける計画だ。世界経済フォーラムによると、SMR市場はグローバル炭素中立ブームに支えられ、2019年45億7000万ドルから2040年3000億ドルに増えるものと推定される。
 SKはテラパワーのSMRを前面に押し出し、無炭素電力需給を通じた炭素中立の実現に先頭に立つ計画だ。SK関係者は「国内と東南アジアなどでテラパワーの原子炉商用化事業に参加する予定」と明らかにした。グループによると、崔会長は昨年6月、拡大経営会議で炭素中立の早期達成を宣言した後、約1年間検討を経た末、投資に踏み切ったという。
 これと共に、崔会長はこの日訪韓したゲイツ理事長と16日午後頃会う可能性が高いと伝えられた。 SKとテラパワーがゲイツ理事長の訪韓時点に合わせて、今回の持分投資計画を共同発表したことを偶然の一致と見ることは難しいという観測が支配的だ。ゲイツ理事長は16日午前、国会を訪問し、感染症対応の国際協力をテーマに演説する予定だ。ゲイツ理事長は2013年に訪韓した時もサムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長と会って晩餐を行い懸案を議論した。
 SK関係者は「まだ面談するかどうかは決まっていない」と明らかにした。先月、崔会長の米国訪問当時、ゲイツ理事長との出会いが注目されたが、結局実現しなかったという。
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