[2022_07_30_04]ザポリージャ原発でウクライナとロシアが交戦 戦場の原発の危機がますます高まる 現時点では原発は損傷無しで稼働中 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)(たんぽぽ2022年7月30日)
 
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ザポリージャ原発でウクライナとロシアが交戦 戦場の原発の危機がますます高まる 現時点では原発は損傷無しで稼働中 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

 ウクライナのザポリージャ原発(ザポロジェ原発)で、ロシア軍が原発を要塞化する一方、ウクライナ軍がドローンを使った攻撃を行っていると、双方が明らかにした。
 ザポリージャ原発は100万kW級原発6基があり、そのうち半分の3基が稼働中とIAEAは発表している。
 原発の中で何が起きているかは、ウクライナ政府もIAEAも把握できておらず、稼働しているだけにリスクは極めて大きい。
 そのような中で、7月21日、ロシア政府は原発に対して3基のドローンが攻撃を仕掛けてきたと発表、うち1機を撃墜としている。
 これについてウクライナ軍の情報局はYouTubeに攻撃時の映像を公表、ドローンによる「カミカゼ攻撃」により、BMI−21ヘイル(多連装ロケット砲)搭載の車両などを破壊し、ロシア兵3名が死亡、12名が負傷したとしている。
 映像には原発敷地内に存在する冷却用の池も映っており、ウクライナとロシアの発表が付合することから、原発敷地が戦場と化していることが確認できる。
 一方、ウクライナ側は、エネルゴアトムのツイッターで総裁が、ロシア軍がミサイルなどの重火器類を原発敷地内に持ち込み、特に1号機の建屋にこれらと共に弾薬などを備蓄、原発をミサイル基地化して、ここからドニエプル川を挟んだニコポリ市を攻撃していると非難している。
 ウクライナ戦争は、ロシアが占拠した原発をミサイル基地化することで、ウクライナ側に反撃を受けない陣地構築を図り、これに対してウクライナ側がドローンを使った攻撃を強行するという、極めて危険な状態に陥りつつある。
 この状態でも原発が3基稼働している。
 状況は悪化を続けていて、重大事故を引き起こす恐れがますます高まっている。
 双方に停戦と原子力施設攻撃の抑止を求める。
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