[2022_07_30_01]原燃再処理工場、新たな完工目標は「未定」(東奥日報2022年7月30日)
 
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原燃再処理工場、新たな完工目標は「未定」

 日本原燃が本年度上期としている六ケ所再処理工場(青森県六ケ所村)の完工を延期することが29日、関係者への取材で分かった。延期すれば26回目。新たな完工目標は「未定」とする方針で、来月にも公表する。原燃は年内をめどに新工程を決定するとみられるが、「完工には少なくともあと1年かかる」(国関係者)との見立てがある。
 原燃は、安全対策の追加工事に必要な詳細設計の「設計・工事計画の認可(設工認)」手続きが当初想定より大幅に遅れ、完工前には設工認審査、追加工事のほかにも、使用前の検査、原子力規制委員会による確認などが残っている。関係者によると、現在の完工目標である本年度上期には間に合わず、さらに一定の時間を要すると判断したとみられる。ただ、今後の設工認審査の進捗(しんちょく)を見通せないため、新たな工程を定められない状況という。

 原燃が目標を決めないまま完工を延期すれば2013年以来。

 一方、増田尚宏原燃社長は29日、青森市内で開いた定例会見で「完工目標まで2カ月となり、今後の見通しについて検討したい。延期を視野に考える時期が来たと考えている」と初めて延期に言及した。具体的な工程は「2、3年もかかるようなものにはならないが、数カ月では終わらないと思う」との認識を示した。
 設工認審査、工事、検査といった各項目で特徴が異なるため、段階的にスケジュールを組み立てるなど、これまでとは異なる工程の提示も検討するとし、「あまり遠くない時期にどのような形にしていくか示したい」とも語った。
 再処理工場には原発の数基分ともいわれる膨大な数の設備や機器などがある。原燃は設工認を3分割して申請する計画とし、初回分は20年12月に行った。技術的な議論はほぼ終結したものの、補正書の提出など原燃側の手続きにも時間を要し、1年半以上が経過した今も初回分の認可の見通しは立っていない。加えて、残る2回分は量が膨大にあるため、完工延期は避けられない状況だった。

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