[2022_07_20_04]規制委が22日に処理水の海洋放出計画を認可へ 東電福島第一原発(東京新聞2022年7月20日)
 
参照元
規制委が22日に処理水の海洋放出計画を認可へ 東電福島第一原発

 原子力規制委員会は20日、東京電力が申請した福島第一原発の汚染水を浄化処理後の水を海洋放出する計画について、安全性に問題がなく政府方針の要求を満たしているとした審査書案を、22日の臨時会議で議論すると発表した。国民からの意見公募の結果を踏まえ、審査書を決定して計画を認可する見通し。
 規制委によると、5月19日〜6月17日に実施した意見公募には約1200件が寄せられた。規制委は会議で意見への見解も示す。
 計画では、放射性物質トリチウムが主に残る処理水を大量の海水で薄めて国の排出基準の40分の1未満にし、新設する海底トンネルを通じて沖合約1キロに放出する。原発構内のタンクには130万トン超の処理水が保管されており、東電は来春から30年程度かけて放出を終える方針。
 東電は、トンネルを掘削するシールドマシンを原発の護岸付近の敷地に設置するなど、建設に向けた準備を進めている。トンネル掘削は規制委の認可を受けた後に、原発が立地する福島県と大熊、双葉の2町の了解を得た後でなければ、始めることはできない。
 処理水の放出を巡って、漁業者や水産業者らが強く反対している。(小川慎一、小野沢健太)

 福島第一原発の処理水 1〜3号機の原子炉に注入した冷却水が事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)に触れ、建屋に流入した地下水や雨水と混ざって発生する汚染水を、多核種除去設備(ALPS)で浄化処理した水。取り除けない放射性物質トリチウムが国の排出基準を上回る濃度で残る。政府は2021年4月、23年春をめどに処理水を海洋放出する方針を決定。東電は、大量の海水でトリチウム濃度を排出基準の40分の1未満に薄めて海へ流す計画を進めている。
KEY_WORD:汚染水_:FUKU1_: