[2022_07_03_01]高レベル廃液、冷却8時間停止/再処理工場(東奥日報2022年7月3日)
 
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高レベル廃液、冷却8時間停止/再処理工場

 日本原燃は3日、六ケ所再処理工場(青森県六ケ所村)で、高レベル放射性廃液を冷やす安全機能が2日午後3時半ごろから約8時間にわたって停止したと発表した。廃液のタンク内にある冷却管の弁が何らかの原因で閉じ、冷却水が流れない状態となっていた。冷却機能は同11時44分に復旧した。原燃によると、廃液の冷却機能が一時喪失するトラブルは初めて。放射性物質による環境への影響はないという。
 原燃は、トラブルのうち重要性・緊急性が最も高い「A情報」として国や県、村に連絡した。
 トラブルが発生したのは、同工場高レベル廃液ガラス固化建屋にあり、試運転で発生した廃液を貯蔵しているタンク。2日午後7時ごろ、冷却水の流量が下がっているのを当直員が発見。同10時ごろには廃液の温度上昇も確認された。
 調査を進めた結果、タンク内にある冷却管の仕切り弁が閉じた状態になっていた。当直員が手動で弁を開け、同11時44分に廃液の冷却が再開された。冷却機能の一時喪失により、24度程度に保たれている廃液の温度が一時的に32度に上昇した。タンクには2.6立方メートルの廃液が入っていたという。
 原燃はデータを検証し、同3時半ごろから冷却機能が停止していたと結論付けた。弁が閉じていた原因は調査中。冷却設備は2系列あるが、1系列は新規制対応の追加工事中で使えない状態だった。
 高レベル廃液は、使用済み核燃料を再処理する過程で発生、半減期の長い放射性物質などが含まれている。放射能レベルが非常に高く、発熱するため、常に冷やし続ける必要がある。長時間にわたって冷却機能が失われた場合、沸騰して大事故につながる恐れもある。
 県と村は現地に職員を派遣すると同時に、原因と対策を詳細に報告するよう原燃に求めた。
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