[2022_06_29_02]入札仕様書を業者に作らせる 原子力規制庁職員「普通のことだと」(毎日新聞2022年6月29日)
 
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入札仕様書を業者に作らせる 原子力規制庁職員「普通のことだと」

 原子力規制庁は29日、民間企業や国立の研究所に対して一般競争入札を実施した契約で、本来は職員が作成すべき業務内容などを記した仕様書の文案を、職員が業者に書かせるなどの内規違反が3件あったと発表した。いずれも60代の男性非常勤職員が関わっていた。現時点で金銭授受や予定価格漏えいなどの法令違反は確認されていないという。
 内規違反があったのは、使用済み核燃料の乾式貯蔵に使われる材料の耐腐食性に関する調査(2020年度)などの契約の入札。全て、この職員が核燃料廃棄物研究部門に所属していた時に担当していた。今年5月、この入札に関する行政文書の開示請求があり、準備をする中で発覚した。この職員が関わった過去5年の契約計43件を調べたところ、17年度の2件でも同様の違反があった。
 20年度の入札では、業者に対して仕様書の文案作成や契約費用の概算を依頼する電子メールも確認された。実際の仕様書は、ほぼ業者の文案どおりだったという。予定価格は業者の概算と若干異なっていたが、事業費は全く同じだった。17年度の2件は、依頼メールなどは確認できなかったが、入札前に業者から仕様書に酷似した事業計画の提案書が送られていた。
 規制庁の内規では、入札前に業者へ市場調査などをすることは認められているが、情報提供は複数業者に求め、業者との対応は複数職員で臨むと定められている。しかし、この職員は1人で業者と対応し、情報提供も1社からしか受けていなかった。一連の行為について職員は調査に対して「普通のことだと思っていた」と答えたという。
KEY_WORD:規制庁_入札仕様書作成_業者に依頼_: