[2022_06_21_03]大きな地震相次ぐ石川能登で浮上していた「珠洲原発」…2003年12月に計画凍結(ゲンダイ2022年6月21日)
 
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大きな地震相次ぐ石川能登で浮上していた「珠洲原発」…2003年12月に計画凍結

 2022/6/21 9:06 6/21(火) 9:06配信
 住民は不安な日々を過ごしているに違いない。19日に最大震度6弱の揺れを観測した石川県能登地方で、20日午前10時31分ごろ再び同地方を震源とする地震が発生。同県珠洲市で震度5強の揺れを観測した。気象庁によると、震源の深さは14キロで、地震の規模(マグニチュード)は5.0と推定される。
 石川県能登半島の先端部では、2020年12月から地震活動が活発化。21年9月には最大震度5弱(マグニチュード5.1)の地震も起きている。しばらくは予断の許さない状況が続くが、同地域で多発する地震を見ていると、つくづく「あの施設」が建設されていなかったことが幸いだったろう。
 「あの施設」とは、北陸、中部、関西の電力3社が2014年から広域電源として共同運営する予定だった「珠洲原子力発電所」のことだ。
 珠洲原発は1975年ごろに計画が浮上。今回、震度5強を記録した珠洲市の高屋町、三崎町寺家の2か所に、135万kW級を2基設置する予定だった。だが、住民の反対運動などもあり、計画は2003年12月に凍結となった。
 1976年5月の衆院科学技術振興対策特別委では、珠洲原発に関する立地調査をめぐる質疑で、委員が政府に対してこう迫る場面も出てくる。
 「地図で明らかなことは、いま調査している高屋町というのは海岸の断層のど真ん中です。真上だと予測されます。それから半キロもせぬところに幾重にも断層のある地域です。現にこの地域は地すべりで大変問題になっているところです」 つまり、ボーリング調査している原発建設予定地の地下には複数の断層があり、建設にふさわしくないのではないか──と主張していたわけだ。これに対し、当時の資源エネルギー庁原子力発電課長はノラリクラリ。まるで今の原発再稼働の是非をめぐる国会質疑のやり取りのよう。いずれにしても、結局、珠洲原発が建設されることはなかった。
 もし、政府や電力会社が住民らの反対を押し切って珠洲原発を建設し、フル稼働させていた時に大地震が直撃していたら……そう考えるとゾッとしてしまう。
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