[2022_06_20_06]石川 能登地方で地震相次ぐ「1週間程度は同程度の地震に注意」(NHK2022年6月20日)
 
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石川 能登地方で地震相次ぐ「1週間程度は同程度の地震に注意」

 2022/6/20 18:36 2022年6月20日 18時36分
 20日午前、石川県の能登地方を震源とするマグニチュード5.0の地震があり、珠洲市で震度5強の揺れを観測しました。
 能登地方では19日午後、珠洲市で震度6弱の激しい揺れを観測した地震の後、地震活動が活発な状態が続いていて、気象庁は、1週間程度は震度6弱程度の揺れを伴う地震に注意するよう呼びかけています。
 気象庁によりますと、20日午前10時半ごろ、石川県能登地方の深さ14キロを震源とするマグニチュード5.0の地震があり、▽石川県珠洲市で震度5強の揺れを観測したほか、▽石川県能登町で震度4の揺れを観測しました。
 さらに午後3時前には珠洲市で震度4の揺れを観測する地震も起きています。
 能登地方では19日午後、珠洲市で震度6弱の揺れを観測するマグニチュード5.4の地震が起きたあと地震活動が活発で、20日午後5時までに震度1以上の体に感じる揺れを観測した地震が12回起きています。
 気象庁は、1週間程度は震度6弱程度の揺れを伴う地震に注意するよう呼びかけています。
 また、能登地方では1年以上地震活動が続いているため当面活動が継続すると考えられ、家具の固定や寝室の安全の確保など、揺れへの対策も進めるよう呼びかけています。

 19日からの一連の地震で7人けが

 石川県の対策本部会議が開かれ、20日の震度5強の揺れを観測した地震で珠洲市の70代の女性1人が軽いけがをしたということです。
 石川県内では19日の震度6弱の揺れを観測した地震で6人がけがをしていて、今回の一連の地震によるけが人は合わせて7人になりました。

 気象庁「活動活発な場所 時期によって変化」

 気象庁によりますと、一連の地震は能登半島の先端の石川県珠洲市周辺で局地的に発生していますが、時期によって、わずかに位置が変化しています。
 気象庁は、活動が活発な領域を4つに分けて解析しています。
 おととし12月以降、南側の領域で相次いで発生し、その後、いわば時計回りに活発な場所が移っています。
 去年のはじめごろは珠洲市西部でも活動が活発になったほか、去年の春ごろからは珠洲市北部で、そして、夏ごろからはその東側で地震が相次いでいます。
 能登半島の北東の端にあたるこの地域では比較的規模の大きな地震が相次いでいて、▽去年9月、珠洲市で震度5弱を観測するマグニチュード5.1の地震が起きたほか、▽19日の震度6弱を観測したマグニチュード5.4の地震や▽20日午前に震度5強を観測したマグニチュード5.0の地震のいずれも、この領域で起きています。
 20日午前の震源は19日の震源からおよそ5キロ東に離れているということです。
 現在の活動の中心は珠洲市の北東部や北部ですが、気象庁によりますとはじめに活動が活発化した珠洲市南部や西部でも最近、地震活動が一時的に活発になることがあり4つの領域のいずれでも活動が収まったとは言えないとしています。
 また能登地方の一連の地震は震源が比較的浅いため揺れが大きくなりやすく、地域全体で激しい揺れへの備えが必要だとしています。

 身を守るために重要なポイントは

 強い揺れが相次ぐ石川県の能登地方。相次ぐ地震から身を守るために重要なのが家具の固定です。
 地震による建物への影響に詳しい名古屋大学の福和伸夫名誉教授にポイントを聞きました。

 1.寝室に家具は置かないで

 寝ている時は無防備になりやすく地震が起きてもすぐに身を守るのが難しいため、寝室にはできるだけ家具を置かないようにしましょう。
 家具を置く場合は、寝ている布団の上に倒れてこないよう配置するのが重要です。

 2.家具の固定 自分でできない場合まわりの人に手伝ってもらう

 家具の固定をするにも、1人暮らしの高齢者世帯などでは自分で器具を取り付けることができない人もいると思います。
 その場合、近くに住む若い人や介護ヘルパーに頼むなどまわりの人に手伝ってもらうようにしましょう。
 自分に手助けできる力があり、周囲に1人暮らしの高齢者がいる場合は、家具の固定ができているかぜひ声をかけてあげてください。

 3.耐震性が低い建物には耐震シェルターや防災ベッドも

 1981年以前の古い耐震基準で建てられた住宅は大地震で倒壊するおそれがありますが、耐震診断や耐震化を行うには費用や時間もかかります。
 万が一、建物が倒壊した際、建物の中に安全な空間を確保するため、耐震シェルターや防災ベッドを導入するといった対策も有効です。

 4.大雨の時期を迎える前に家具の固定を

 さらに福和名誉教授が懸念するのがこれから迎える本格的な大雨の時期についてです。
 福和名誉教授は、「最悪の場合、地震と大雨の影響が重なって被害が拡大するおそれがある。大雨の時期を迎える前に家具の固定をするなど今すぐできる備えを進めてほしい」と呼びかけています。
 居間や台所にあるタンスや食器棚、本棚などは本体そのものが倒れないよう、固定しましょう。
 引き出しや中に入っているものが飛び出してこないような対策も重要です。
 また、大地震が起きたり大雨で被害が及んだりしそうな場合、すぐに外に避難できるよう廊下や玄関に避難の妨げになるような物を置かないようにしましょう。

 5.地盤緩んでいる地域も 雨が降ったら早めの避難を

 相次ぐ地震で、能登地方では地盤が緩んでいるためところによっては少しの雨で崩れる危険性もあります。

▽雨が降ってきたら斜面から離れた場所で過ごすほか、▽気象庁や自治体からの情報に十分注意しながら、状況が悪化する前に早めに避難するよう心がけてください。
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