[2022_06_13_01]「水俣と福島に共通する政府・加害企業の10の手口」…(アイリーン・美緒子・スミス)「100のバッシングには1000の応援をお願いします」…(井戸謙一) 6/11「水俣と福島 アイリーン・美緒子・スミスさんと語ろう」 (映画とトーク、@立教大学タッカーホール)に参加して 冨塚元夫(脱被ばく実現ネット)(たんぽぽ2022年6月13日)
 
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「水俣と福島に共通する政府・加害企業の10の手口」…(アイリーン・美緒子・スミス)「100のバッシングには1000の応援をお願いします」…(井戸謙一) 6/11「水俣と福島 アイリーン・美緒子・スミスさんと語ろう」 (映画とトーク、@立教大学タッカーホール)に参加して 冨塚元夫(脱被ばく実現ネット)

◎ 6月11日(土)のイベントは、第一部映画、第二部「子ども甲状腺がん裁判原告を囲むトーク」で合計4時間でした。
 初めに映画「MINAMATA」(2020年制作115分アメリカ映画)を見てもらい、2時間後に映画のヒロインであるアイリーン・美緒子・スミスさんに映画のこと、水俣に3年間住んだ時のこと等、水俣と福島の共通点を語ってもらって、福島の子どもたちに起きている小児甲状腺がん患者6人の裁判につなげました。

◎ 私は脱被ばく実現ネットの一員として、集会会場立教大学池袋のタッカーホールのスタッフを依頼されて、配布資料のセッティング、来場者への資料配り、集会開始後の参加者の受付等を行いました。
 映画は昨年見たので、受付の役目があり見ませんでしたが、一度ではよくわからない部分もあったと記憶しています。
 フォト・ジャーナリストのユージン・スミスが「水俣病患者子どもの写真を取らせてほしい」と依頼してもなかなかYESと言わない親の気持ちはよくわかるような気がしました。
 甲状腺がん裁判の原告が顔を出さないのも同じで、一生差別とバッシングを受けることになるからです。

 先日、日比谷コンベンションホールでの311子ども甲状腺がん裁判の報告集会参加者は200人くらいでしたが、この日の参加者は320人くらいでした。両方に参加した方が多かったようです。
 さらにこのイベントの協力者立教大学の砂川教授の関係で立教大学と日本大学の学生が30人以上参加しました。

◎ アイリーン・美緒子・スミスさんは映画について話した後、「水俣と福島に共通する10の手口」を話しました。政府・加害企業の手口です。

1.誰も責任を取らない/縦割り組織を利用する。
2.被害者や世論を混乱させ、「賛否両論」に持ち込む
3.被害者同士を対立させる
4.データをとらない/証拠を残さない
5.ひたすら時間稼ぎをする
6.被害を過小評価するような調査をする
7.被害者を疲弊させ、あきらめさせる
8.認定制度を作り、被害者数を絞り込む
9.海外に情報を発信しない
10.御用学者を呼び、国際会議を開く

◎ 全くその通りだと感心します。
 アイリーンさんはさらにトークの時は次のように言いました。
 「隠していても被害実態と企業・政府の責任はバレバレだ、被害者・支援者はあきらめず、疲れないよう、真実を話しにくい雰囲気を変えるようにフンイキづくりを工夫しよう、バレバレの事実が無いもののようにされているのはメディアの責任だ。上司の指示に従って紋切型に書くのではなく、ジャーナリストの実感で書いてほしい。(水俣の時の熊本放送のように)また公衆衛生の専門家の責任も大きい、調べて語ってほしい」

◎ この日のトークに3人の原告が参加しました。
 トークは、OurPlanet-TVの白石草さんが司会者(進行役)で、登壇者はアイリーンさんのほかに井戸謙一弁護士と河潤美弁護士、そして立教大学の砂川教授でした。
 3人の原告は衝立の後ろで姿形は見えませんでしたが、初めて大勢の人に肉声で話しました。

 しおりさん(TBS報道特集登場者)は次のように言いました。
 …「放射能に関する周囲の雰囲気は初めからおかしいと思っていた。」「放射能は花粉のようなもの、服を払って干しておけばよい。」と言っていた。原発爆発後も「気にしすぎ」と言われた。
 福島県立医大で、甲状腺がんと診断された後、突然「爆発事故との因果関係はありません」と言われた。過剰診断、スクリーニング効果という言い方が多く、検査を縮小しようという雰囲気が強く、応援してくれる人はいないと思っていた。
 TBS報道特集のあとはバッシングが酷くて、先行き難しいと思っていた。
 しかし、裁判が始まるとクラウドファンディングで予想以上のお金が集まり、「あなたたちが立ち上がってくれてありがとう。本来は私たちのやることだ」というような応援の書き込みが多くあり、とてもうれしかった。今日も300人以上のかたが来てくれてうれしい。…

 あおいさん(甲状腺がん裁判第一回期日の陳述者)の言葉
 …「裁判には200人以上の方が来てくれてうれしかった。今日も300人以上の方がいてうれしい。法廷ではとても緊張した。自分の気持ちを伝えたかった。裁判にいたる10年間は割り切れない思いだった。親にも辛いと言えなかった。そういう過去は思いだすのはつらかったが、皆さんのおかげで、裁判に勝つために自分の言葉で語ることができた。」

 みつきさんは、白石草さんの取材にもこれまでほとんど話してくれなかった人です。
 今日はなぜ、出て来て舞台に上がったのかという白石さんの問いにただ一言、絞り出すように、「大人になったのだと思う」。

◎ この日のイベントは「他の健康被害はともかく甲状腺がんだけでも原発事故のせいだと証明したいという白石草さんの執念、国家の不正義を正さなければならないという井戸謙一さんや幸前幸一さんら弁護団の執念、「沖縄出身で、沖縄への差別、部落出身者への差別を研究し、メディアの問題を発信してきた砂川教授の思いが実を結んだものです。

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