[2022_05_26_02]「東海第二原発」を再稼働してはいけない5つの問題 (その2) 避難は極めて困難 5km圏内の人口は約8万人、30km圏内では94万人 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)(たんぽぽ2022年5月26日)
 
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「東海第二原発」を再稼働してはいけない5つの問題 (その2) 避難は極めて困難 5km圏内の人口は約8万人、30km圏内では94万人 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

 問題2:背景にある巨大な人口に防災計画は無理であること
(1)予防的防護措置を準備する区域・PAZ5km圏内の人口は約8万人
原発の周囲5キロ圏内でも人口規模は8万人に達する。この区域は全電源喪失や冷却機能の全停止などになった場合には全員直ちに30キロ圏外に避難しなければならないが、事実上不可能だ。

(2)緊急防護措置を準備する区域・UPZ30km圏内では94万人
事故後の放射性物質の拡散に対して、風下地帯を中心に避難を行うことになるが、対象となり得る人数は94万人。
 この避難も極めて困難である。
このエリアの避難については、事実上不可能であることから、実際には屋内退避しか行われない可能性が高い。

(3)福島第一原発事故では最大50キロ圏の飯舘村まで避難が必要だった
事故により放出される放射性物質が風に乗って長距離を汚染する場合が想定されていない。
 福島第一原発では最大50キロも離れた飯舘村が高濃度の放射性物質に汚染され全村避難した。
 しかし避難が実施されたのは4月22日以降。これは2017年まで続いた。

(4)周囲の原子力施設との同時被災の危険
使用済燃料プールの損傷が発生した場合や他の原子力施設、特にわずか2.7キロ南の東海再処理工場との複合災害になった場合は、想定を遙かに超える。
100キロ先の東京も含め、大規模な避難が必要になる場合、混乱の中で戦場のような悲惨な事態となる。

(5)実行可能な避難計画はない
周辺30キロ圏内でも、避難対象の住民の輸送計画に実効性はない。
さらに受け入れ先自治体の避難所も、延べ床面積に対し一人当たり2平方mを機械的に割り当てるなど、実態とは乖離した受け入れ予測をしているなど、およそ常識外の計画だった。 (その3)に続く
            (初出:月刊たんぽぽニュース5月号)
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