[2022_05_18_01]風評対策は数十年に渡る[原発処理水の海洋放出]許可されても福島県や自治体の了承が必要(福島テレビ2022年5月18日)
 
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風評対策は数十年に渡る[原発処理水の海洋放出]許可されても福島県や自治体の了承が必要

 福島第一原発で増え続ける処理水の海洋放出に関して、原子力規制員会は東京電力の計画に安全性の問題はないとする審査書案を了承した。
 放出に関する設備を整備するためには、原子力規制委員会の認可が必要で事実上の合格が示された形となる。
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 <漁業関係者の心配…風評対策は?>
 東京電力は9月頃から海水で薄めた放出前の処理水でヒラメやアワビの飼育し、得られたデータを公開する方針を示している。
 発電所周辺の海水で育てたものと、健康状態や生存率・卵がかえる確率などが公開される。
 計画が正式に認可されても、東京電力は福島県・双葉町・大熊町に事前の了解を得る必要がある。
 そして、その後も「漁業関係者に説明を尽くし、計画への理解を得る努力を重ねる」とコメントしている。
 政府は「放出開始は2023年春ごろ」とすでに方針を固めている。
 東京電力によると、放出を始めるには10カ月程度の工事が必要とのことなので、あくまで青写真だが5月末か6月上旬にも工事に着手しなければ間に合わない計算。
 放水期間は具体的期間は明らかにされていないが、東京電力は福島テレビの取材に対して「廃炉期間の30〜40年を有効に使って慎重に対応したい」とコメントしたことからも、数十年に渡る風評対策が求められることになりそうだ。
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 海洋放出に向けた動きが進む一方で、処理水をめぐる議論が深まっていないことはデータからも裏付けられている。
 復興庁は、2022年1月から2月にかけて国の内外の20代以上を対象に処理水に関する認識を初めて調べた。
 その結果、処理水に含まれるトリチウムの濃度を国の基準値以下まで薄めて放出する方針について、国内で知っている人は43.3%にとどまり半数を下回った。
 調査結果を踏まえ復興庁は、処理水に関する情報発信などの取り組みを強化するように、関係省庁に対して指示を出している。「復興の司令塔」としての役割が改めて問われている。

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