[2022_05_05_01]北海道電力の泊原子力発電所停止から10年 再稼働か?それとも再生エネルギーの可能性は?(北海道放送2022年5月5日)
 
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北海道電力の泊原子力発電所停止から10年 再稼働か?それとも再生エネルギーの可能性は?

 北海道電力の泊(とまり)原子力発電所が停止してから5日で10年です。この10年、北電が一貫して「再稼働ありき」を訴える一方、エネルギーを巡る社会情勢は大きく変わっています。
 東日本大震災のあと泊原発に造られた高さ16.5メートルの防潮堤。しかし、地震による液状化で沈下するおそれがあるとして造り直すことになり取り壊しが始まっています。
 10年前の2012年5月5日、運転を停止した泊原発。再稼働に向けた審査では2021年、懸案の敷地内の断層について「活断層ではない」と結論付けられましたが、その断層以外の地震や津波、火山についての影響評価は終わっていません。
 (原子力規制委員会 更田豊志(ふけた・とよし)委員長)
 「自社に地震・津波・火山の専門的議論に応じられる人材を抱えていただきたい。審査のやりとりに十分な対応が北電にこれまで見られなかった」
 それでも北電の「再稼働ありき」の考えはこの10年間、一貫しています。
 (北海道電力 藤井裕(ふじい・ゆたか)社長)
 「何よりも発電時にCO2を出さない。カーボンニュートラルを2050年に向けて進めていくとなれば、再生可能エネルギー導入拡大と泊原発再稼働の両立、再稼働は必要不可欠だ」
 一方、エネルギー問題が専門で、新潟県にある国際大学の橘川武郎(きっかわ・たけお)副学長は、原発を使い続けるのは使用済み核燃料の処理問題や軍事やテロの標的になるリスクがあると指摘。
その上で…。
 (国際大学 橘川武郎(きっかわ・たけお)副学長)
 「北海道こそ再生エネルギーの電源がたくさんある。分散型電源を率先して広げて(全国の)モデルのような地域になるのが、福島第一原発の事故の後、北電が進むべき方向だった。大電源に依存する体質が変わっていない。原子力(発電)や石炭火力(発電)は(現時点で)設備はあるので、安全確保や設備改良を加えてつなぎとして使っていく」
 再び、道内に「原発の火」がともるのか…。
 泊原発が停止してからすでに10年が経過しました。
5月5日(木)「今日ドキッ!」午後6時台
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