[2022_03_17_09]福島第1原発1号機、燃料デブリの調査を中断 震度6強(毎日新聞2022年3月17日)
 
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福島第1原発1号機、燃料デブリの調査を中断 震度6強

 3/17 20:44
 16日夜に宮城、福島両県で震度6強を観測した地震で、原子力規制委員会の事務局を担う原子力規制庁は同日、警戒事態の態勢に入った。東北にある3原発では、廃炉作業中の原子炉建屋内の使用済み核燃料プールで一時、冷却機能が止まったが、いずれも現段階で問題は確認されていない。
 東京電力などによると、福島第1原発(福島県)では、2号機のプールの冷却水をためるタンクの水位が低下したため、核燃料を冷やす機能が一時停止した。プール内には615体の核燃料が残っているが、既に十分冷やされている。
 1号機では、原子炉格納容器の圧力が地震前より下がり、東電が原因を調べている。1号機の格納容器内には、2011年の福島第1原発事故で溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)があり、東電は現場の安全確認のため、2月から始めた調査をいったん中断した。
 5号機のプールの冷却システムも一時停止した。処理水や汚染水を保管しているタンク計85基にずれが見つかったが、水漏れは確認されなかった。タンクの基礎部分は、揺れに伴って動くことで転倒を防ぐ設計になっている。5号機のタービン建屋2階と旧事務本館で火災報知機が鳴ったが、現場を確認したところ出火はなかったという。
 福島第2原発では、1号機と3号機のプールの冷却用ポンプが一時停止した。1号機の原子炉建屋の壁面にあるパネルが変形し、こぶし一つ分の隙間(すきま)ができたが、外部への放射性物質漏れはないという。敷地内の9カ所で火災報知機が鳴ったが、いずれも異常はなかった。
 東北電力女川(おながわ)原発(宮城県)でも1号機で一時、プールの冷却用ポンプが停止した。日本原子力発電によると、運転停止中の東海第2原発(茨城県)では、地震による異常はないという。プールの冷却は続けられており、周辺の放射線量の値にも異常は確認されていない。【吉田卓矢、岡田英】
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