[2021_11_30_04]東電株主代表訴訟が結審 提訴から9年8カ月 2022年7月判決(毎日新聞2021年11月30日)
 
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東電株主代表訴訟が結審 提訴から9年8カ月 2022年7月判決

 東京電力福島第1原発事故を巡り、東電の株主が勝俣恒久元会長(81)ら旧経営陣5人に総額約22兆円を東電に賠償するよう求めた株主代表訴訟は30日、東京地裁(朝倉佳秀裁判長)で株主側と旧経営陣側の双方が意見陳述し、2012年3月の提訴から9年8カ月を経て結審した。判決は22年7月13日に指定された。
 株主側は、政府の地震調査研究推進本部が02年に公表した地震予測「長期評価」には、地震や津波の多くの専門家が関わっており、高い信頼性があったと指摘。旧経営陣5人は部下から長期評価に基づく大津波の可能性を知らされるなどしており、高さ10メートルを超える津波を予見できたとし、建屋が浸水しないための工事などを進めていれば、事故は防げたと主張した。
 これに対し、旧経営陣側は、長期評価は最新の知見に該当するとは考えられていなかったと反論。対策を義務付けるようなものではなく、外部の土木学会に長期評価の信頼性の検討を依頼した判断は「極めて合理的だった」とした。建屋の浸水対策も当時一般的でなかったとし、「事故前の視点で見れば、期待される注意義務に違反していない」と述べた。【遠山和宏】
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