[2021_11_27_04]柏崎刈羽原発 貫通部の総点検、2月に完了 作業を初公開(毎日新聞2021年11月27日)
 
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柏崎刈羽原発 貫通部の総点検、2月に完了 作業を初公開

 東京電力柏崎刈羽原発の稲垣武之所長は25日の定例記者会見で、7号機の安全対策工事で未完了が判明した問題を受けて火災や浸水の防護措置を取らなければならない「貫通部」の総点検を、2022年2月に完了する方針を明らかにした。同日、点検の様子を初めて報道陣に公開した。
 7号機の安全対策工事を巡っては、東電が今年1月「完了した」と発表。だがその後、空調ダクトを閉じるための鉄板(ダンパー)の設置や、火災防護区画の壁や床に空いた貫通部など計94カ所の工事が未完了であることが相次いで発覚した。
 この問題を受け、東電は2万カ所に上る貫通部の総点検を進めており、この日、報道陣に公開。6、7号機共用のコントロール建屋地下2階にある空調の冷凍機室では東電と協力企業の社員が2人1組となり、壁や床の貫通部の有無や防護措置の必要性、管理番号、識別マークの確認作業を実施した。
 稲垣所長は記者会見で「火災・浸水防護は安全上、極めて重要な工事で、一つの漏れも許されない」と述べ、施工、設計部門での3段階の確認作業を実施することを強調した。
 7号機では火災感知器の不適切な設置と技術基準を満たさない溶接部の不適切管理も、原子力規制庁から指摘されている。稲垣所長は共通要因として、必要な業務を全て抽出するような事前の段取り・準備が不十分だったことに加え、専門機関の意見を聞くなどの適切な判断基準がなかったことを挙げた。また、核セキュリティー対策の不備の問題については「経営層や幹部が現場の状況を十分に把握できていなかったと考えている」と共通要因を指摘した。
 同原発では6号機原子炉建屋に隣接する大物搬入建屋で地下のくいが損傷しているのが見つかり、今月10日、原子力規制委員会の石渡明委員が中越沖地震(07年)の影響でくい内部の鉄筋が破断し、変形したとの見方を示した。これに関し記者会見で東電の担当者は「中越沖地震の影響も視野に調査を継続していく」と述べるにとどめた。【内藤陽】
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