[2021_11_08_01]「どう理解を得るのか」「全国で議論の輪を」…"原発政策の将来"を福島県の学生と寿都町長が意見交換(北海道文化放送2021年11月8日)
 
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「どう理解を得るのか」「全国で議論の輪を」…"原発政策の将来"を福島県の学生と寿都町長が意見交換

 「なぜ文献調査を受け入れたのか」。先週、北海道後志地方の寿都町に、福島県内の高校や大学に通う学生が訪れ、片岡町長に投げかけました。
 今も原発事故の影響に悩まされる学生たちに片岡町長が伝えたのは、「議論」を深めることの大切さでした。
 秋サケ漁も終わり、これから長い冬を迎える後志の寿都町。その寿都町役場に11月6日、福島県内の学校に通う、21人の大学生と高校生が訪れました。
 目的は「核のごみ」の最終処分場選定に向けた文献調査を受け入れた片岡町長との意見交換です。
 福島県の高校生:「最終処分場の調査に反対する人たちの理解をどのように得ていくのか」
 寿都町 片岡 春雄 町長:「賛成も反対も同じ、理由をしっかり理解しないと。町づくりと国の課題の最終処分について、両輪でしっかり協議をしていきましょうということ」
 福島第一原発の事故で、今も問題を抱える生徒たち。質問はストレートです。
 福島県の高校生:「文献調査から概要調査に進む際に北海道知事の同意が必要ですが現時点では反対の姿勢を示しています。どう臨むのか」
 寿都町 片岡 春雄 町長:「まず知事、市町村長、そして市民、町民、日本全体で一堂に会して議論を始めない限り、いつも押し問答して入り口論で終わってしまう」
 片岡町長と学生たちの議論は約2時間に渡って続きました。学生から、福島県で廃炉作業の課題となっている汚染水処理について意見を求められた片岡町長。
 片岡町長が伝えたかったのは、このことでした。
 寿都町 片岡 春雄 町長:「今なぜ(汚染水を)処理しなければならないのか。最初から理解を深めなかったのが今につながっていると思う。これまでの最終処分の使用済み核燃料も同じなんです。全部先送りにして」
 国の原発政策のあり方について、議論を進めるべきだと訴えました。
 寿都町 片岡 春雄 町長:「私が一石を投じたことに対しての子どもたちの受け止め方、私の思い、子どもたちの思いを改めてじかに話できて良かった。思いは一つです。何とかしないとならない」
 片岡町長は来週にも経済産業省を訪れ、今後の原発政策の方針を確認する予定です。
 寿都町を訪れた福島県の学生からは以下のような意見が出ました。
・高校2年生:最終処分場はしっかり議論すべき。国全体で議論を
・高校2年生:「先延ばし問題」を恐れずに言う。若者にとっても勇気を与えられた
・大学2年生:寿都町での議論に参加、意見を発信することが大きな意味
 参加者は、議論をすることへの意義を感じたようでした。

UHB 北海道文化放送
KEY_WORD:寿都町_調査応募検討_:FUKU1_:廃炉_:汚染水_: