[2021_09_30_01]政府や自治体は、原発重大事故を想定した避難訓練を行っています 避難訓練を行わなければならないほど危険な施設は原発だけ 滋賀県高島市の危機管理局から聞き取り調査 木原荘林(老朽原発うごかすな!実行委員会)(たんぽぽ舎2021年9月30日)
 
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政府や自治体は、原発重大事故を想定した避難訓練を行っています 避難訓練を行わなければならないほど危険な施設は原発だけ 滋賀県高島市の危機管理局から聞き取り調査 木原荘林(老朽原発うごかすな!実行委員会)

 ◎ 政府や自治体は、原発重大事故を想定した避難訓練を行っています。
 それは、原発は重大事故を起こしかねないことを、政府や自治体が認めているからです。
 ただし、政府や自治体の「避難計画」では、わずかの期間だけ避難することになっていて、避難に要するバスの台数も避難する場所も全く足りません。
 政府や自治体は、原発重大事故では、住民の多くが何年も、何十年も、あるいは永遠に故郷を奪われることをあえて無視して、「避難訓練を行った」とするアリバイ作りをしているのです。
 避難訓練を行わなければならないほど危険な施設は原発だけです。

◎ この避難訓練について、若狭の原発から20〜50km圏内に位置する滋賀県高島市の議員・是永 宙氏が、以下の3点について、高島市の危機管理局から聞き取り調査を行われ、結果をご報告戴きました。

1.広域避難先と高島市(避難元)の打ち合わせの現状

・県内の広域避難先(大津市など)とは、避難元自治体・避難先自治体・県の各担当者による打ち合わせを年1回程度行うことになっていて、課題などの洗い出しなどをしていくことになっている。ただし、その打ち合わせをすることが決まったのも昨年度で実質的にはまだ取り組まれていない。
・県外の広域避難先(高槻市、大阪市など、大阪の15市、3町)との打ち合わせは、全くされていない。そもそも県外の広域避難先は原子力災害への対応は想定されていないので、広域避難先自治体の担当者向けに原子力災害対応の講習を滋賀県が行ったくらい。

2.原発災害の避難訓練に関する予算措置に関して

・高島市主催の場合は市が、県主催の訓練の場合は県と市が折半している。
・訓練の中で放射線のスクリーニングなどをする医療従事者など、訓練に参加する関係機関は“持ち出し”で参加されている。使い捨ての防護服や消耗品など関係機関が準備しており、予算ではカバーしていない。
・自動車の線量を計る機材は関西電力が“事業者責任”として持ってきている。
・訓練に参加する民間のバスについては、滋賀県が手配している。おそらく県から予算措置されているのではないか。

3.防護具や計測機器などの予算措置について

・防護服や線量計などは県費で購入したものと、市費で購入したものと両方ある。
・機器の定期的な点検などの維持更新費用は、県費購入のものは県費で、市費購入のものは市費で維持をしている。

◎ この報告でも明らかなように、関西電力も、政府も、自治体も、原発重大事故対策は、アリバイ作り程度で、真剣に検討する体制にはありません。明日にでも重大事故が起こったら、どうするのでしょう?
 また、私企業・関西電力が重大事故を起しかねないから、避難訓練を行っているにもかかわらず、国や自治体が訓練関連費を拠出しているのは、税金の私企業・関西電力への横流しともいえます。
 原発が重大事故を起しかねないことは、多くの人々が再三にわたって指摘するところですが、関西電力が、この指摘を無視して原発を運転して事故を起こしたら、それは関西電力の故意による犯罪です。
 したがって、国や自治体の予算拠出は、犯罪に手を貸しているといっても過言ではありません。

◎ もともと、原発重大事故時の避難は無理ですから、即刻の原発停止を求めるのが、「国策に抗してでも、自治体住民の生命と生活を守るべき自治体」の使命です。
 関西電力は、重大事故の確率が高い老朽原発・美浜3号機を再稼働し、高浜1、2号機の再稼働を画策し、高浜3、4号機のプルサーマル運転を強行しています。
 危険極まりないこれらの原発の運転を許してはなりません!
 「老朽原発廃炉」を勝ち取り、プルサーマル運転を阻止し、原発全廃へと前進しましょう!

KEY_WORD:避難計画実効性_:廃炉_: