[2021_09_14_05]福島第一原発のALPS空調系フィルターが全損 原因不明のまま、ALPS再稼働 東京電力の安全姿勢欠如が再び 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)(たんぽぽ舎2021年9月14日)
 
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福島第一原発のALPS空調系フィルターが全損 原因不明のまま、ALPS再稼働 東京電力の安全姿勢欠如が再び 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

 福島第一原発で汚染水を処理する「多核種処理設備」通称ALPSの、排気フィルター「HIC排気ラインの排気フィルター」が損傷していることが明らかになった。
 8月24日、増設ALPSを設置している建屋内で、ALPS処理水の工程で発生するスラリーを詰めた容器の移替作業を実施中、移替先のHICに接続したスラリー移替え装置(SEDS)の排気ライン出口で、作業用に仮設置した「連続ダストモニター」のダスト濃度高警報が発生したことから、作業を一時中断し点検を実施した。
 高警報発生原因の調査として8月30日に排気ライン出口の高性能フィルターを点検したところ損傷があることを確認した。
 最終的には全部で25基のフィルターのうち、24基が損傷していた。
 高警報発生の原因は排気フィルターの損傷によるものと推定されたが、増設ALPS建屋周辺の連続ダストモニター指示値に有意な変動がないことや、当該作業においては作業員は適切な装備を着用しており、身体汚染がなかったことを確認していることから、環境への影響はないとしていますが、そもそもフィルターの破損原因は分かっておらず、排気中の何かが原因であるとした場合、通常運転のALPSにおいてもそうした破損を引き起こす原因があるのではないかと疑われる。
 しかしながら、8月末のフィルター損傷について明らかにされたのが9月2日、この5日の7日にはもうALPSは再稼働している。
 2年前にも同様の破損があり25カ所で交換していたが、破損原因を調べないまま運転を続け、公表もしていなかった。   (毎日新聞9月11日)
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