[2021_09_12_01]伊方原発の緊急時対応要員、宿直中に無断外出繰り返す…再稼働遅れる可能性(読売新聞2021年9月12日)
 
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伊方原発の緊急時対応要員、宿直中に無断外出繰り返す…再稼働遅れる可能性

 伊方原子力発電所3号機(愛媛県伊方町)の緊急時対応要員の元社員が宿直中に無断外出を繰り返した問題で、四国電力は10日、再発防止策などをまとめた報告書を県、伊方町に提出した。中村時広知事は専門部会などで確認する意向を示し、四電が計画する10月12日の再稼働は遅れる可能性もある。
 四電の長井啓介社長は県庁で知事と面会し、「発電所の安全意識や緊急時対応要員の管理体制の問題に起因する。知事はじめ地域の皆様に大変な心配をおかけした」と謝罪した。
 報告書は、元社員が週末や祝日の宿直中に5回の他、2016〜20年の平日当番中に46回発電所から出ていたことが新たに確認され、「無断外出を含む可能性がある」とした。
 再発防止策では、全地球測位システム(GPS)付きスマートフォンを宿直員に持たせ、所定の距離以上離れるとアラームが鳴るよう設定。宿直開始時だけだった点呼をスマホを使って抜き打ちで実施し、発電所員らへの教育も徹底する。
 中村知事は「信頼をさらに失墜せしめる行為」と批判し、「県としては安全確認が最重要。スケジュールありきの考えは全くない」とし、再稼働の日程にとらわれず専門部会で検証する意向を示した。長井社長は面会後、再稼働を延期するかどうかは「県や町の理解を得たうえで決まったら公表する」と述べた。
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