[2021_02_18_05]地震の修復 夏までかかる見通し…山元町に“被害集中” 住宅被害は震災時の7倍〈宮城〉(仙台放送2021年2月18日)
 
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地震の修復 夏までかかる見通し…山元町に“被害集中” 住宅被害は震災時の7倍〈宮城〉

 今回の地震による住宅被害は宮城県内273戸に上りますが、そのうち、6割以上が、山元町に集中しています。山元町のこちらの地区では、東日本大震災よりも大きな被害が出ました。屋根や、墓石の修復には夏までかかる見通しで、住民たちは落胆しています。
 山寺地区の区長 樋口太一さん(70)
 「上の方が被害が大きい。ここも石灯籠が倒れてますけども」
 280世帯が暮らす山元町山寺地区の行政区長・樋口太一さん(70)。樋口さんは、地震の翌朝から地区の被害状況をつぶさに見て回りました。
 山寺地区の区長 樋口太一さん(70)
 「こちらも骨堂がね、見えちゃって。とりあえずビニールで覆っているのですが、地震で石が動いて骨堂が見えている状態ですね」
 その際、予想を上回る被害の大きさに驚いたといいます。
 山寺地区の区長 樋口太一さん(70)
 「震災の時は私どもの地区は屋根に被害があったのは5〜6軒だったが、今回は次の日調べてみたら30軒ほど被害があり、7倍ぐらいの被害がありました」
 屋根や、墓石の修復は業者に依頼しました。しかし震災後の10年間で業者が相次いで廃業したため、順番待ちでかなり時間がかかる見通しです。
 山寺地区の区長 樋口太一さん(70)
 「みんな石材店に頼んでる。ところが福島県の新地町の方が被害がひどくて。『こちらはその後』だということで、『夏のお盆までには何とか…』という話なんですね。『春の彼岸には絶対に間に合わないよ』ということを言われました」
 この地区は、震災後に沿岸部から70世帯ほどが移住してきた土地。多くの人が、新たなスタートを切ったところでした。
 山寺地区の区長 樋口太一さん(70)
 「皆さん何とか、ここで新しく生活していこうと思ったんですけどね。屋根にビニールシートがかかってる家は、全部、被害を受けた家なので、本当に気が滅入りますよね」
 住宅被害が最も大きかった山元町では、被災者を迅速に支援するための新たな取り組みも始まりました。
 山元町税務課 佐藤繁樹 課長
 「ご自宅の被害状況の写真をスマホなどで撮っていただいて、確認させていただいて、『一部損壊』の場合ですと、即座に罹災証明を出すことができる」
 罹災証明書を受け取る際、これまでは、町の職員による被害状況の実地調査を受ける必要がありましたが、山元町では、今回初めて、被害が小さい場合はスマートフォンなどを使い自分で撮った写真で代用できることにしました。
 全壊など、被害が大きい場合は従来通り職員による確認作業を行いますが、この取り組みにより、罹災証明書の発行スピードの加速が期待されます。
 また、地震で被害を受けた家具などの災害ごみについて、19日から無料での受け入れが始まります。受け入れるのは「亘理清掃センター」と「岩沼東部環境センター」です。対象は、山元町と名取市、岩沼市、亘理町の住民で、それぞれの役場で事前申請が必要です。自分で持ち込むことで、費用は無料で、期間は、2月19日から3月末までです。
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