[2020_12_25_06]政府、除染なしでも一定要件満たせば避難解除方針を決定 福島・帰還困難区域(毎日新聞2020年12月25日)
 
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政府、除染なしでも一定要件満たせば避難解除方針を決定 福島・帰還困難区域

 東京電力福島第1原発事故のため今も避難指示が続く福島県内の帰還困難区域について、政府の原子力災害対策本部は25日、区域内の一部地域で除染がされていなくても、一定の要件を満たせば住民の往来などを認める方針を決めた。その地域に住民が住まないのが前提で、除染されていなくても避難指示が解除できるようになった。

【福島第1原発の汚染水処理の流れ】
 帰還困難区域内には、国が居住できる環境を整備する「特定復興再生拠点区域」(復興拠点)が指定されている。復興拠点では、インフラ整備や除染を集中して進め、2023年までの避難指示の解除を目指している。
 一方、飯舘村の長泥地区は復興拠点から外れ、避難指示の解除のめどは立っていない。村は長泥地区で復興公園の整備を計画しており、住民が自由に出入りできるよう、新たな仕組みを政府に要望していた。
 これを受け、政府は復興拠点から外れた地域でも「年間の被ばく線量が20ミリシーベルト以下」「個人線量計での被ばく管理」「相談窓口の設置」などの要件を満たせば、除染されていなくても立ち入りを認める方針をまとめた。これらの要件に関して、原子力規制委員会は8月、科学的に見て問題がないと評価していた。
 政府は今後、除染をせずに避難指示を解除する場所や時期を、関係自治体と協議した上で判断する。解除にあたり、線量計の貸し出しや被ばくに関する相談などの費用は国が負担する。解除された場所を造成、除染する場合、自治体などの負担になる。除染なしの避難指示の解除を巡っては、大熊町や双葉町などが反対している。【塚本恒】
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