[2020_12_17_02]大飯原発の設置許可取り消し 判決 国は不服として控訴(NHK2020年12月17日)
 
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大飯原発の設置許可取り消し 判決 国は不服として控訴

 福井県にある大飯原子力発電所について、国は原発の設置を許可した決定を取り消すとした大阪地方裁判所の判決を不服として17日控訴しました。
 関西電力の大飯原発3号機と4号機について、住民らが、設置を許可した原子力規制委員会の決定を取り消すよう求めていた裁判で、大阪地方裁判所は今月4日許可を取り消す判決を言い渡しました。
 判決では想定される最大の地震の揺れ、「基準地震動」をめぐって算出に使う式の結果に「ばらつき」があるものの、審査では「ばらつき」を反映すべきか検討をしていないなどと指摘していました。
 福島第一原発事故を教訓にした新たな規制基準が設けられてから、原子力規制委員会の原発の設置許可を取り消す司法判断は初めてのことです。
 これに対して、国は判決に不服があるとして17日大阪高等裁判所に控訴したと明らかにしました。
 原発で想定される地震の揺れの評価について、原子力規制委員会は16日見解を公表していて、審査は地震などの観測データに「ばらつき」があることを踏まえたうえで行っているとしたほか、判決が指摘したような評価方法は審査では使っておらず、科学的な根拠はないなどとしています。
 今後の裁判で、国はこうした見解を踏まえて、大飯原発に出した設置許可に問題はなかったと、主張するものとみられます。

原告側「控訴は暴挙」

 国が大阪地方裁判所の判決を不服として控訴したことについて、原告側の弁護団長の冠木克彦弁護士は「国が敗訴したのは、みずから定めた審査のガイドラインの規定を無視して、間違った審査を行ったことを裁判所が厳しく批判した結果である。国は直ちにみずからの過ちを反省して原発の安全審査をやり直すことが義務であり、控訴はとんでもない暴挙だ」とコメントしています。
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