[2020_11_24_03]【証言あの時】前福島県知事・佐藤雄平氏(中)福島は取り残される(福島民友2020年11月24日)
 
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【証言あの時】前福島県知事・佐藤雄平氏(中)福島は取り残される

 「たとえどのような政権になっても、きちんと福島の原子力災害からの復興を進めていくための法律が必要だった」。前知事の佐藤雄平は2012(平成24)年3月の福島復興再生特別措置法の成立を振り返った。
 佐藤が本県に特化した法律の必要性を明確に意識したのは、11年4月から始まった政府の東日本大震災復興構想会議の席上だった。岩手、宮城の両県は同じ震災の被災県だが、すでに復旧、復興の話をしていた。佐藤は「同じ枠組みではどうしても東京電力福島第1原発事故があった福島は取り残される」と、危機感を感じた。
 政府がさまざまな復興政策を決めた際に「知事、閣議決定したので大丈夫です」と報告してくることにも一抹の不安を感じていた。佐藤は知事就任前、衆院議員秘書や参院議員を経験し、政界や官僚組織の表も裏も知り尽くしていた。
 「閣議決定は重いが、内閣が代わったら場合によっては踏襲されない可能性もあるな」と、政府に対して立法を働き掛ける腹を固めた。副知事だった内堀雅雄、松本友作に「将来の福島に必要で、法律に盛り込まなければならないことを所管の部署から聞き取れ」と指示した。
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