[2020_11_17_03]核のごみ、国が処分場選定に向けた第1段階を許可 初の文献調査開始(毎日新聞2020年11月17日)
 
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核のごみ、国が処分場選定に向けた第1段階を許可 初の文献調査開始

 原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場の選定手続きを巡り、経済産業省は17日、選定の第1段階に当たる「文献調査」を、北海道の寿都(すっつ)町と神恵内(かもえない)村に関して実施することを許可した。これを受け、調査事業を申請していた原子力発電環境整備機構(NUMO、ニューモ)は同日、文献調査を始めたと発表した。文献調査の実施は国内で初めて。
 国が文献調査を許可したことで、両町村はそれぞれ最大20億円の交付金が得られる。
 文献調査は処分場の選定手続きを定めた「最終処分法」に基づく3段階の調査のうち、最初の調査。ニューモが2年程度かけて、学術論文などの文献を通じて活断層があるかなどを調べて、適地かどうか分析する。適地と判断したら、知事と両町村長の意見を聞いた上で第2段階となる掘削調査に進む。
 ニューモは調査を進めるに当たり、近く両町村の住民らに事業計画を説明する。文献調査を進めながら説明会などを開いていくが、具体的な日程などは地元の要請を受けながら進めていくという。
 ニューモによると、最終処分場には地上に東京ディズニーリゾート(千葉県浦安市)とほぼ同じ広さ約2平方キロ、地下300メートル以上深い所に約9平方キロの施設を整備。地下施設に、ガラスで固められた円筒状の核のごみ4万本以上が入る。
 北海道では、選定の手続き中に不安や反対の声が上がっていた。施設の建設に適した場所がどこになるのか、国が地質学などの観点を踏まえて2017年に示した「科学的特性マップ」では、神恵内村のほとんどの地域が適地でないとされ、寿都町も適地とされる平地が少なかった。【荒木涼子】

核のごみ
 原発で使い終わった核燃料から再利用できるプルトニウムなどを取り出した後、残った廃液をガラスで固めたもの。強い放射線を放ち熱を持っているため、専用の容器に入れ空気で冷やし続ける必要がある。放射線の強さが安全なレベルに下がるには、10万年以上かかるとされている。
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