[2020_11_11_01]村井知事の再稼働同意表明に抗議し撤回を求める声明(「女川原発の再稼働を許さない!みやぎアクション」2020年11月11日)
 
参照元
村井知事の再稼働同意表明に抗議し撤回を求める声明

 本日、村井宮城県知事は、須田女川町長・亀山石巻市長との三者会談を行い、女川原発2号機再稼働への「地元同意」を表明しました。
 村井知事は、「県民の総意を(国へ)伝えるのが私の役割」と言いましたが、再稼働への同意は断じて「県民の総意」ではありません。県民世論、県民の民意を置き去りにした同意表明に断固として抗議します。
県民の命と健康、幸せな暮らしを守ることが、なによりも大切な知事の仕事であるはずなのに、村井知事は、そのことを二の次にして「国策ありき」で同意表明しました。村井知事が「避難計画と再稼働はリンクしない」と述べ、住民避難計画が不備であることを承知の上で同意表明したことに、特に強く抗議し撤回を求めます。

 第一に、女川原発2号機再稼働について県民の意見を聴き取り、県民の意向を確認する場がほとんど持たれませんでした。県民投票条例を二度にわたって否決した上、県議会は請願者の意見陳述さえ拒みました。コロナ禍の中、大幅な定員割れで強行開催された住民説明会では、国や東北電力が木で鼻をくくった回答を繰り返し、住民の疑問や不安はまったく解消されませんでした。
 
 第二に、有識者による安全性検討会においても、県議会においても、そして市町村長会議においても、女川原発2号機再稼働を巡る「熟議」はまったく為されませんでした。それどころか、構成員同士の意見のやり取りさえほとんどありませんでした。安全性検討会の報告書は意見の「羅列」であり、県議会環境福祉委員会の請願審査時間はわずか10分足らずであり、市町村長会議は2時間ばかりの意見表明のみで三者協議に「一任」しました。
このように、県民からの意見聴取も議論もまったくない中で行われた県知事の同意表明が、「県民の総意」であるはずがありません。

 第三に、その結果、再稼働の大前提であり、最低限の条件であるはずの「住民避難計画の実効性」さえ担保されませんでした。県自身が行った調査によって、女川原発重大事故時に大渋滞が起き住民避難に3〜5日もかかるという結果が出たことに対して、国と県が示した「改善」策は「UPZ住民に屋内退避をお願いする」という、むしろ住民に被曝を強いる内容でした。
さらには、女川原発が「被災原発」であること、古い沸騰水型原発であること等から来る、重大事故時の安全対策上の諸問題の検討も極めて不十分であり、すべて棚上げされたままです。原子力規制委員会による「合格」は原発が安全であることを意味しません。
本日の村井知事の同意表明によって、女川原発2号機再稼働への「地元同意」に決着がつくものではまったくありません。宮城県民は断じて同意していません。
東北電力は女川原発2号機の安全対策工事が2022年までかかるとしており、村井知事が拙速な同意表明をしようとも、少なくともあと2年は再稼働しません。
私たちは引き続き、住民避難計画の実効性の担保を大前提に、真に「県民の総意」に基づいて女川原発2号機再稼働の是非が決されることを求めて活動していきます。
<以下の県内諸団体による共同声明です>
(後略)
KEY_WORD:ONAGAWA_: