[2020_09_26_06]村の魚食べない/北海道の恥 核のごみ、神恵内・寿都で中傷相次ぐ 専門家「国の責任で対策を」(北海道新聞2020年9月26日)
 
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村の魚食べない/北海道の恥 核のごみ、神恵内・寿都で中傷相次ぐ 専門家「国の責任で対策を」

 【神恵内、寿都】原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定で、文献調査への応募の動きが表面化した後志管内の神恵内村と寿都町の関係者に対し、誹謗(ひぼう)中傷が相次いでいる。根拠のない風評も含まれ、専門家は「応募を呼びかけている以上、国の責任で対策を取るべきだ」と指摘する。
 神恵内村では、応募を求める請願を村議会に提出した商工会に、市民団体や個人から電話やファクス、はがきなどが約60件が寄せられた。ほとんどが反対意見で、中には「神恵内村の魚は食べない」「もう北海道には行かない」といった風評被害につながりかねない内容もあった。相次ぐ抗議に担当者は「職員は精神的に参っている。収まるのを待つしかない」と漏らす。
 村役場と村議会にも電話やファクスによる反対意見が計約100件あった。一部には「北海道の恥」などと誹謗中傷する内容も。村総務課は「意見は受け止めるが、あまりにひどい内容がある。感情的な言い方は控えてほしい」とする。
 ある村議の自宅には、請願を審議した村議会が閉会した17日まで、早朝や深夜に電話がかかり、多い日で5回程度あった。村議は「さまざまな意見があるのは理解する。ただ、常識外のことはやめて」と訴える。
 寿都町では町役場への誹謗中傷はないが、応募検討の動きが出た8月下旬、町内で水産物などを扱う商店に「北海道の邪魔者」「寿都のものを売るのはやめろ」という電話やメールが続いた。現在は収まったが、経営者の男性は「心ない声はつらかった」と振り返る。
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