[2020_09_17_08]日立製作所「英原発建設事業からの完全撤退」正式決定 東海第二原発を有する日本原電は日立から申請業務を巨額で下請けを受けロンドン事務所まで開設していた 福永正明(日立製作所による英ウィルヴァ原発輸出反対キャンペーン世話人)(たんぽぽ舎2020年9月17日)
 
参照元
日立製作所「英原発建設事業からの完全撤退」正式決定 東海第二原発を有する日本原電は日立から申請業務を巨額で下請けを受けロンドン事務所まで開設していた 福永正明(日立製作所による英ウィルヴァ原発輸出反対キャンペーン世話人)

◎メディア報道の通り、日立製作所は本日(9月16日)の取締役会で「英原発建設事業からの完全撤退」を正式決定しました。
 私たちは、「日立製作所による英ウィルヴァ原発輸出反対キャンペーン」として原発輸出反対のため活動を続けてきました。
 特に、東海第二原発を有する日本原電は、日立から申請業務を巨額での下請けを行い、ロンドン事務所まで開設していました。
 安倍政権の退陣と同時の原発輸出完全破綻は、世界のどこにも核燃料エネルギーサイクル施設が不要であることを明白にしました。
 皆様のご協力とご支援に感謝しつつ、本日発表の「声明」を張り付けます。
◎<声明>「日立の英原発事業完全撤退」決定について
 「毎日新聞」は9月14日、日立製作所が英国でのウィルヴァ原子力発電所新設計画事業から完全撤退する方針を固めたと報じた。そして日立は本日、公式に「英国原子力発電所建設プロジェクト事業運営からの撤退について」を発表した。
 日立は、英国中部ウェールズ地方のアングルシー島において、130万キロワット級の英国向け改良型沸騰水型原子炉(UK−AVWR)2基建設のため、2012年に事業会社を買収した。
 これは、2011年3月11日の東京電力福島第一原発事故発生時からの「原子力緊急事態宣言」継続中での、新規原発輸出事業であった。
 私たち「日立製作所による英ウィルヴァ原発輸出反対キャンペーン」は、本事業が具体化した2017年9月以降、多くの市民・団体が結集し、日立本社前抗議行動、国会院内集会、対政府交渉の活動により、反社会的な利益追求第一主義経営での原発輸出事業に反対を続けてきた。
 原発輸出は、安倍晋三政権による「システムインフラ輸出戦略」の重要事業とされ、原発輸出推進の諸策が実行された。例えば、企業の経営リスクを削減するとして、政府丸抱えでの公的資金投入、つまり民間企業の債務を政府保証する支援を認めた。それは巨額の税金での民間企業の原発輸出事業支援と救済であり、市民とメディアから反対が次々表明された。
 日英政府の破格の支援を得ながら本事業は、総事業費の膨張、投資先確保の見通しなく、中断を続けた。そして日立は、2019年1月に事実上の中止となる「事業凍結」を決定していた。
 今回の日立の完全撤退決定は、日英両市民による原発輸出・建設反対運動の成果である。英現地の反対グループは、力強く「原発はいらない!」と長年活動し、日英政府、日立を揺り動かしてきた。私たちは、現地住民たちの粘り強い運動に心からの敬意を表し、新企業が日立事業買収後に原発建設を企てる際には、住民たちの阻止活動に連帯を継続する。
 本日辞任の安倍首相は在任中、積極的に原発売り込みを進めたが、ベトナム、トルコ、アラブ首長国連邦での輸出計画は中止となった。 今回の日立決定により日本からの原発輸出事業は完全に破綻し、安倍首相退陣とともに「システムインフラ輸出戦略」は頓挫した。
 「日本はどこにも原発を売るな!」との私たちの活動は、福島第一原子力発電所事故被害を広く伝え、そこから世界が再生エネルギーへ向かうべきことを示してきた。
 詳細は、『キャンペーン報告資料集』(2019年9月)として刊行したが、ここに改めて多くの市民、団体、国会議員からの支援と協力に謝意を表したい。
 私たちは、日本のみならず世界各国における、いかなる核燃料エネルギー事業にも強く反対することを再々度表明する。

※関連報道
 ◆日立、英原発から撤退 採算改善見込めず  3000億円の損失(2019年3月期連結決算)

 日立製作所は16日、英国の原発新設計画から撤退すると発表した。
 英政府の支援拡大を求めていたが調整が難航し、採算改善が見込めないとして、昨年1月にプロジェクトを凍結していた。(中略) 日立は事業凍結に伴って19年3月期連結決算で約3000億円の損失を計上しており、撤退による経営への影響は軽微としている。(後略)(9月17日茨城新聞11面より抜粋)
KEY_WORD:トルコ_シノップ原発_三菱重工_:原発輸出_:FUKU1_:TOUKAI_GEN2_: