[2020_09_11_06]韓国水力原子力による独自調査 「泡沫が原発の裏山にまで達し 多量の塩分が電力設備に流入」 極限気象に対する備えがなかったもよう 原子力安全研究所「不良部品の可能性」(ハンギョレ新聞2020年9月11日)
 
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韓国水力原子力による独自調査 「泡沫が原発の裏山にまで達し 多量の塩分が電力設備に流入」 極限気象に対する備えがなかったもよう 原子力安全研究所「不良部品の可能性」

 最近、台風「メイサーク」と「ハイシェン」が通過した際に、古里(コリ)と月城(ウォルソン)で6基の原発が相次いで停止したのは、強風で飛ばされてきた塩分による内部の電力設備の故障のためだったという韓国水力原子力の独自調査の結果が出た。海辺に位置する原発では、十分に予想し、備えておくべき問題であることから、原発の安全性に対する懸念を増幅させるものとみられる。
 新古里1、2号機と古里3、4号機は、台風9号「メイサーク」により、3日夜から4日未明にかけて自動停止した。7日午前には台風「ハイシェン」の影響により、月城2、3号機が相次いで停止した。韓水原は9日、これらの原発の停止の原因について、「台風が起こした波と強風の影響により、多量の塩分が発電所敷地内の電力設備に流入したため故障が発生し、この故障から発電設備を保護する装置が作動したため停止した」と発表した。
 韓水原の説明は、原発施設の設計や運営が気候変動による極限気象に対して脆弱であることを認めたものと見ることができる。原発は全て海辺に位置しているため、設計はもとより設備運営の過程でも、塩分対策が考慮されているべきだからだ。外部電力が長時間途絶えれば、核燃料棒が溶け落ちる事故につながりかねない。日本の福島原発事故がその例だ。
 韓水原は、今回の台風が予想を超えて強力だったせいにした。韓水原の関係者は「海辺なので絶縁性能を持つように設計されているが、風があまりにも強く、波の泡沫が原発の裏山にまで吹きつけるほどだった。露出型設備が脆弱だった」と話した。
 一方、原子力安全研究所のハン・ビョンソプ所長は「原発の外部設備は、雨水や塩水に備えて防水部品を使うことになっている。韓水原の発表どおり塩分が原因であったとしても、その大元は欠陥部品や手抜き施工の可能性がある」と述べた。2011年の日本の福島原発事故直後、韓国政府は極限的な自然災害に備え、韓水原に対し、46の補完対策を2015年までに段階的に取らせることを決めた。しかし、このうち、防水扉および防水型排水ポンプの設置▽格納容器への排気または減圧設備の設置▽主蒸気逃がし安全弁室および非常給水ポンプ室の浸水防止施設の補完の3つの対策はまだ完了していない。
キム・ジョンス先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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