[2020_08_19_02]道知事「寿都町は拙速」 核ごみ調査、国の手法も批判 「頬、札束でたたく」(北海道新聞2020年8月19日)
 
参照元
道知事「寿都町は拙速」 核ごみ調査、国の手法も批判 「頬、札束でたたく」

 【厚真】鈴木直道知事は18日、原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向け、後志管内寿都町が文献調査の応募を9月中に判断するとしたことについて、「1カ月程度で判断するのは拙速だ」と強くけん制した。また、財政難の市町村に20億円の交付金を提示して文献調査の候補を募る国の手法には「頬を札束でたたくやり方だ」と批判した。
 視察先の胆振管内厚真町で記者団の質問に答えた。
 知事は、寿都町が文献調査に応募した場合「核のごみを全国から道内に集める入り口になる可能性がある。(核のごみの)無害化に10万年かかり、10万年先の将来を1カ月で判断するのは拙速だ。道民にも同じ思いの方が多いのではないか」として、町は日程を延期したうえで慎重に検討するべきだとの考えを示した。
 さらに「北海道、後志の多くの方に影響がある」とし、寿都町は幅広く道民の意見を考慮する必要があるとの認識も示した。最終処分場の道内建設を「受け入れがたい」とした道の核抜き条例があることから、寿都町の対応は「(条例の)考え方とは相いれない。順守していただくよう話していく」と述べた。
 国は市町村が文献調査を受け入れた場合、地元に20億円を支払う。知事はこの交付金について「市町村は新型コロナウイルス対策で財政が厳しい。そういう時に頬を札束でたたくようにして(文献調査に)手を挙げさせる国のやり方はどうなのか」と指摘した。(松本創一)
KEY_WORD:寿都町_調査応募検討_: