[2020_07_30_09]一問一答 目標「今変える必要ない」 原燃・増田社長 21年度完工「容易でない」 規制委・更田委員長(東奥日報2020年7月30日)
 
 原燃・増田社長

 ー正式合格の所感は。

 「実際にはこれからが大事。審査で約束した事項を現場の工事に反映し、安定して安全に操業するのが使命。そこまでの大きな一歩が進んだと思うが、これからもっと気を引き締める」

 −2021年度上期とする完工時期について。

 「簡単ではないと思っているが、今変える必要はない。工事の物量や工程を精査した後、全体工程をなるべく早い時期に示したい」

 −更田豊志・原子力規制委員長は、工事の認可審査などに少なくとも1年は要する一と指摘している。

 「1年以内に、あるいはもっと短く終わらせるようにするのが委員長からもらったチャレンジだと思う」

−過去に不具合が起きたガラス固化工程の体制は。

 「改良を重ねて実際にはしっかり動いた。一番足りないのは経験。模擬の装置で経験を積み、自分の技術力に自信を持ってもらえれば必ずうまく進められると確信している」

 −操業開始の時期は。

 「完工後に地元の方々と操業の計画について話す必要があるため、今は申し上げることはできない」
    (佐々木大輔)

 規制委・更田委員長

 −6年半の審査を終えた思いは。

 「長かったと思う。新基準での審査は規制委も原燃も経験がなく、重大事故の共通理解に時間がかかる。核物質が広く分布する特徴をどう捉えるか、考慮を重ね議論を尽くした結果だ」

 −原燃は完工時期を2021年度上期とするが。

 「今から1年間というのは、われわれが目を見張るほど立派な計画と内容を原燃が示した場合にのみ可能なチャレンジングなスケジュール。経験に照らし普通に考えれば容易でない」

 −原燃の技術的能力を懸念する声もある。

 「(原燃の)事業遂行能力と、安全を守る能力を見極めなければならない。(両能力は)重なる部分もあり難しいが、われわれは安全についての視点を見過ごさないようにしたい」

 ー原燃に求めることは。

 「ごく単純化した評価では、再処理工場のリスクは原発より桁一つ以上低い。発電炉と同じ形式の審査なので、危険性が強調されすぎている部分もある。再処理特有の規制をしないとならず、原燃も再処理の特徴を捉えた運用が必要だ」
    (若松清巳)
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