[2020_07_29_06]再処理工場 正式合格 規制委、審査書を決定 完工時期は不透明(東奥日報2020年7月29日)
 
 原子力規制委員会は29日午前、東京都内で定例会合を開き、日本原燃・使用済み核燃料再処理工場(六ヶ所村)が新設基準に適合すると認める「審査書」を決定した。安全審査は2014年1月の申請から約6年半を経て正式合格となった。原燃は今後、操業へ向けて安全対策工事などを進めるが、工事計画の認可審査をはじめ、工場の完成までに必要な工程は少なくない。原燃は完工時期を「21年度上期」と掲げるものの、再度の先送りが不可避との見方が強い。(佐々木大輔)
 再処理工場は、原発の使用済み核燃料からプルトニウムやウランを化学処理(再処理)して抽出し、混合酸化物(MOX)燃料として再利用する「核燃料サイクル政策」の中核施設。東京電力福島第1原発事故(11年)の教訓を踏まえた新規制基準下で、再処理工場の合格は初めてとなる。
 規制委は5月に事実上の合格を了承した後、パブリックコメント(意見公募)を実施。委員5人は29日の定例会合で、寄せられた意見765件の概要や、修正点の説明を受けた上で、審査書を正式に了承した。
 今後は安全対策工事の設計や計画の認可審査に進む。さらに工場の完成前には性能検査も控え、一連の工程は「うまく進んで1年」(更田豊志委員長)を要する。規制委は原燃の完工目標を「不可能」(原子力規制庁幹部)とみる。
 再処理工場が1993年に着工して以降、完工目標の延期は通算23回(「未定」の届け出を除く)。原燃がさらなる先送りをどう判断するかも焦点の一つとなる。
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