[2020_06_16_05]関電、再稼働へ過去の清算急ぐ 根強い原発不信(時事通信2020年6月16日)
 
参照元
関電、再稼働へ過去の清算急ぐ 根強い原発不信

 関西電力は、金品受領問題に関わった八木誠前会長ら旧経営陣5人を提訴すると決めた。旧経営陣の責任を追及することで過去と決別する姿勢を鮮明にし、高浜原発1、2号機(福井県高浜町)の再稼働など原子力事業の推進につなげる考え。ただ、関電や原発への不信感は根強く、関係者の理解を得るのは容易ではない。
 関電の筆頭株主の大阪市は旧経営陣を提訴しない場合、株主代表訴訟を検討する方針を示してきた。関電関係者は「現経営陣は追い詰められており、提訴しない選択肢はなかった」と説明する。
 関電は25日の株主総会後、社外取締役が強い権限を持つ指名委員会等設置会社へ移行し、会長に前経団連会長の榊原定征氏を迎え入れる。機能不全に陥っていたコーポレートガバナンス(企業統治)の改善を急ぐ。
 もっとも、関電に向けられる視線は厳しい。高浜1号機の安全対策工事は9月に完了する見通しだが、福井県の杉本達治知事は「関電と地元自治体の信頼関係は修復できていない」と語り、再稼働に慎重な姿勢を崩していない。現経営陣の中には旧体制の中核にいた人物もおり、「決別はお手盛りで、本当に変わろうとしているのか疑問だ」(関係者)との声も上がる。信頼回復へ実効性ある改革が問われている。
KEY_WORD:関電不正_:TAKAHAMA_: