[2020_04_25_05]福島の409世帯、原発ADR打ち切り 東電が和解拒否(毎日新聞2020年4月25日)
 
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福島の409世帯、原発ADR打ち切り 東電が和解拒否

 福島市大波と伊達市霊山町雪内・谷津両地区の住民1241人(409世帯)が東京電力福島第1原発事故による慰謝料の増額を求めた裁判外紛争解決手続き(ADR)で、国の原子力損害賠償紛争解決センターが手続きを打ち切った。住民側代理人が公表した。
 打ち切りは2019年12月25日付。3地区はいずれも一部が特定避難勧奨地点に指定されていた伊達市霊山町小国地区に近接し、放射線量も比較的高かった。賠償額は大人8万円など。住民らは14年11月、山林や農地の除染が手つかずで健康への不安があるなど精神的苦痛を強いられたとして、1人当たり月10万円の慰謝料増額を求め、ADRを申し立てた。
 センターは19年7月、生産するコメから1キロ当たり100ベクレルを超える放射性セシウムが検出された大波地区のコメ農家30世帯に、1世帯あたり30万円を支払うとする和解案を提示したが、東電は計2回拒否した。
 住民側代理人は「東電は自分たちのミスで引き起こした事故の責任をなぜ取らないのか。中間指針では救いきれない被害が今も残っていることを認識してほしい」と話した。【磯貝映奈】
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