[2020_04_15_03]規制委が再々提出要請 再処理工場補正書 原燃不備に苦言(東奥日報2020年4月15日)
 
 日本原燃・六ケ所再処理工場(六ヶ所村)の稼働へ向けた安全審査で、原子力規制委員会は14日、合格の前提となる補正申請書に不備があり、原燃に提出し直すよう要請した。原燃は3月に提出した補正書に58項目の不備が発覚し、修正して13日に再提出したばかり。審査会合で田中知委員は「重く捉えて対応して」と原燃に苦言を呈した。
 補正書は実質的な合格証「審査書案」の下敷きとなる。原子力規制庁審査チームによると、現時点で少なくとも8項目で記載漏れや数値の誤りが見つかった。
 東京都内で開いた審査会合で、審査チームは修正点など指摘事項を原燃に伝達。長谷川清光チーム長補佐は「確認のプロセスや質に何か問題がある。再三言ってきたが、相変わらずこういう状態」と述べた。
 一方で審査自体は大詰めを迎え、更田豊志委員長は8日の会見で、早ければ5月中旬にも事実上の合格となる可能性に言及。審査書案の本格的な審議を大型連休明けから始めるには、最終補正書を原燃が「来週中ぐらい」(規制庁幹部)までに出せるかが鍵を握る。
 原燃は取材に「さらに充実したチェックを行い、4月中に提出するよう作業を進める」と答えた。
 新型コロナウイルスの感染防止対策として、規制委はテレビ会議による審査会合を初めて実施。審査チームは六ヶ所村の原燃担当者とモニタ一越しに議論したが、通信が途絶えて審議が中断したり音声だけでやりとりする場面もあった。(佐々木大輔、加藤景子)
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